News
【コラム】トミカで見る総務省消防庁の消防車
前回好評だった【コラム】トミカで見る救急車の歴史(前編)、【コラム】トミカで見る救急車の歴史(後編)からの第2弾は、「トミカで見る総務省消防庁の消防車両」を実車とあわせて紹介しよう!
写真◎編集部(特記を除く)
※掲載されているトミカには絶版品も含まれています。
総務省消防庁の無償使用車両って何?
1995年(平成7年)1月に発生した阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、同年6月に創設された緊急消防援助隊(以下、緊援隊)。
発足以来、最大規模の出動となったのが2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災だ。全都道府県(県内応援を除く)出動となったこの災害では、88日間で派遣された部隊の総数は8854隊にのぼった。その後も、全国各地で自然災害が発生し、ここ数年はほぼ毎年、緊援隊が出動しているほど激甚化した災害が増加している。自然災害の形態も変化し、当初想定されていた地震災害だけでなく、豪雨・台風・土砂災害といった風水害の発生頻度が高まり、対応する車両・資機材もこうした風水害に対応したものが強化されている。
ここでは、これまで総務省消防庁から全国の消防本部に無償使用車両※として配備された消防車両でトミカとして製品化されたものを紹介していこう。
※無償使用車両:緊援隊の活動上必要な車両・資機材のうち、地方公共団体が整備・保有することが費用対効果の面から非効率なものについて、大規模・特殊災害時における国の責任を果たすため、消防組法第50条に基づき、国が整備し緊援隊として活動する人員の属する都道府県または市町村に対して無償で使用させるもの。
大型ブロアー車
毎時21万立方メートル(東京ドームがほほ5時間で膨らむ)という大量の送風およびミクロ噴霧放水を実施できる。有害物質の除去、トンネル・地下街・地下鉄等での火災等における排煙および消火を行う。(後にウォーターカッター車と統合させた特別高度工作車となり、さらに特殊災害工作車となる)
ウォーターカッター車
研磨剤を混入した高圧の水流で、鋼材、コンクリート等のあらゆる対象物を切断できる。また、火花が発生しないため危険物、可燃性ガス等の充満した場所でも使用が可能。少量の水での噴霧消火も可能となっている。
重機及び搬送車
津波等によるがれき、土砂崩れ等による障害物を除去し、道路の啓開を行うとともに、救助隊等と連携して活動障害となる障害物の除去を行い、効果的な救助活動を行う。遠隔操作により、隊員が近づけない倒壊の恐れのある建物や土砂災害現場等での作業が可能。アーム部分に管鎗を装備し、自走式放水銃としても使用できる。
次のページ:
大規模災害時に活躍するトミカが続々登場する!