救助工作車Ⅱ型 山口市消防本部

日本の消防車両

救助工作車Ⅱ型 山口市消防本部

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機関員の動線に沿った配置

バス型の最大の特徴ともいえる隊員乗車室は、あえて後部座席を1席分潰し、精密機器等を収納する棚を設置している。棚の向かいには機関員用の呼吸器ラックを設け、発電量がわかるメーターをフロントガラス前に取り付けるなど、機関員が無駄な動きをすることなく活動に専念できる工夫を施した。ヒューマンエラー防止のため、シャッター開閉状況やクレーン・照明装置の収納状況をチェックするワーニングモニターも搭載している。さらにボディのいずれかの扉が開いた状態でサイドブレーキを下げても車両を発進できない仕様とし、二重の安全策を講じている。

コンパクトな車体からは想像もつかないほど多くの工夫が凝らされている山口市の救助工作車。管内状況に合わせつつも機能は充実させるという相反する課題を見事クリアし、消防の大原則である迅速・安全・確実救助が実現できる一台に仕上がった。

左側面
左側面
左側面は、同本部の救助事案の6〜7割を占める交通救助に使用する資機材を収納。乗車室への昇降口は隊員が乗降しやすく、内部スペースを侵さないドアタイプを採用。
最後部
最後部にバスケット担架や車輪止め、アウトリガ敷板を収納。敷板はマグネット式とし、設定時間短縮を図る。
削岩機
震災への対応を考慮し、削岩機も積載。使用電力が大きいため、発動発電機を2つ積載し、並列接続して使用する。
オートハイドレックス用水槽
搭載位置に苦労したオートハイドレックス用水槽。
予備バッテリー
予備バッテリーは個別に縦置きしているため、迅速な交換が可能だ。
ロープ類を掛ける本部が多い引き出し式のラック収納
ロープ類を掛ける本部が多い引き出し式のラック収納には、スリングベルト等を収納。隣の棚型収納にはワイヤーやチルホール、ラムシリンダーをしまう。最上段のみ右側に貫通しており、平担架を収納。
重量のある電動スプレッダーやカッター、発動発電機
重量のある電動スプレッダーやカッター、発動発電機は引き出し式とし、隊員の負担を軽減。スプレッダーやカッターは底部に傾斜をつけることでさらに取り出しやすくなった。
右側面
右側面
右側面には都市型救助資機材や破壊系資機材などを収納。
前部スカートボックスにはオートハイドレックスを設置
前部スカートボックスにはオートハイドレックスを設置。両側面ともステップはオールフラットチェーンレスタイプ。
ワイヤーはしごや投光器などは細かい仕切りを設けて個別に収納。
ワイヤーはしごや投光器などは細かい仕切りを設けて個別に収納。
ミニマーカー
スイッチを入れるだけで光る、ミニマーカー。頑丈・軽量で持ち運びやすい。
ブローハード
ブローハードは引き出し式に。隙間にエアジャッキを収納するなど、デッドスペースを徹底的に排除している。
収納ボックスには水抜き穴
活動後はどうしても資機材が水に濡れるので、収納ボックスには水抜き穴を設けている。
縞鈑ボックス
エンジンカッターやチェーンソー等の重量物は持ち運びやすさを考えて縞鈑ボックスに収納。最上段の平担架収納位置は左右貫通式。
扉式収納は表面にロープ、裏面にハーネス類などを引っ掛け最大限に活用
扉式収納は表面にロープ、裏面にハーネス類などを引っ掛け最大限に活用。奥には予備のボンベを収納した。

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