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アメリカと欧州で熱波…山火事や熱中症の被害拡大

アメリカと欧州で熱波の影響による山火事や熱中症の被害が広がっている。

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●アメリカの被害状況

・ニューメキシコ州で山火事、延焼面積1382㎢以上
 アメリカ・ニューメキシコ州で4月6日に発生した大規模な山火事Hermits Peak/Calf Canyon Fireの延焼面積は、1382㎢以上に及んでいる。6月23日現在、72%まで鎮火したが、山火事の原因が米国フォレストサービス(U.S. Forest Service)の計画的な野焼きだったことが明らかになった。フォレストサービスは6月21日、過失の原因や再発防止に関する内部調査をまとめた報告書を公表。報告書の中で、今回の野焼きで起こったミスを教訓にすると述べているが、気候変動が進む状況下での安全な野焼きが難しくなってきており、いまのところ適応できるシステムではないとしており、同時に、気候変動の影響によって激甚化する山火事を緩和するには、山火事の発生を防ぎ、延焼面積を最小限に抑える野焼きが重要であることも指摘している。なお、この山火事現場に出動した保安官事務所のヘリコプターが墜落し、当局によると消防士など4人が死亡したと発表した。

・テキサス州で山火事
 テキサス州のサマーベル・カウンティでは7月19日に山火事が発生し、24㎢が焼失した。同日にはこの時期としては過去最高の46.1度を記録しており、熱波で山火事が急速に燃え広がったという。

・カリフォルニア州で山火事
 カリフォルニア州で7月22日にヨセミテ国立公園周辺で、山火事が発生。州当局によるとこれまでに63㎢が消失した。州当局は周辺の地域に非常事態を宣言して住民に避難命令を出し、AP通信などによると、避難を求められた住民は6,000人以上に上るという。消火作業は行われているものの、24日の時点で鎮火の見通しはまだ立っていない。

●ヨーロッパの被害状況

ヨーロッパでは7月に入り異常な熱波が襲来している。各国で気温が40度を上回り、森林火災や熱中症の被害が広がっている。

スペインでは7月13日に南部アンダルシア州アルテモンテで45度を超え、セビリアやコルドバなど南部の各都市でも44度を超えた。ポルトガル・ピニョンでは14日に47度、フランス・カゾーは18日に42度、イギリス・ロンドンでは19日にイギリス史上最高の40.3度を記録した。

世界保健機関(WHO)欧州地域事務局は22日、スペインとポルトガルだけで計1,700人以上が死亡したと明らかにした。各国当局からの報告に基づく暫定推計だが、同事務局は「近日中に(死者数は)さらに増える」と警告している。

さらに大規模な山火事が各地で発生しており、少なくとも10カ国に及ぶという。フランス南西部のジロンド県では2カ所で発生した山火事が1週間以上続き、焼失面積は2万haに達した。

熱波の原因は偏西風の蛇行とみられ、アフリカ北部の熱波がヨーロッパに流れ込み、猛暑となったと考えられている。

アメリカと欧州で熱波の影響による山火事や熱中症の被害が広がっている。

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