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【コラム】東京消防庁の新装備
無人走行放水車「エアコア」って何?

東京消防庁消防救助機動部隊(通称・ハイパーレスキュー)に新たな装備が加わった。その名は無人走行放水車『エアコア』。すでに実際に配備されている新装備の秘密と性能について紹介しよう。

写真◎編集部

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大規模火災に有効なタービン式消火装置「エアコア」
エアコア
東京消防庁消防救助機動部隊(第二本部、第六本部)に配備された無人走行放水車「エアコア」。

東京消防庁は、大規模火災への対応を強化するため令和4年度導入車両として無人走行放水車「エアコア(AIRCORE)」を第二消防方面本部消防救助機動部隊と第六消防方面本部消防救助機動部隊へ各1台ずつ配備した。第二消防方面消防救助機動部隊には、令和5年度に総務省消防庁から貸与された特別高度工作車に搭載された仕様の異なるエアコアが配備されており、計3台となる。

この装備は、無人で走行する消防ロボットだ。東京消防庁では、1964年(昭和39年)に発生した東京・品川の勝島倉庫爆発火災で消防職員18名、消防団員1名の計19名が殉職したことを受け、無人で稼働する消防装備の研究開発を行い、1971年(昭和46年)からリモコンで操作が可能な無人走行放水車の運用を開始している。

歴代の無人走行放水車として5代目となるエアコアは、石油コンビナート、航空機、タンクローリー等の油脂火災、強い放射熱が発生する大規模火災および爆発危険のある火災、消防隊員が接近困難な災害に対応する装備だ。無線操作により、約300m離れた距離からの作業を可能となる。タービン中央部に放水口を装備し、直状放水および噴霧放水の切り替えを行える。

さらに、エアコアの特長として、冷却消火、陽圧式換気による消火戦術が可能なことが挙げられる。トンネル、倉庫、大規模工場火災における濃煙排除、有毒ガスの拡散をすることができる。加えて、噴霧放水で隊員の危険を軽減し、従来の消火戦術よりも気化熱による冷却に優位であり、リモコンによる自在な操作を可能としている。

このエアコアは、配備後からすでに2023年(令和5年)12月25日に発生した北区・赤羽の商店街火災、2024年(令和6年)1月2日の羽田空港地上衝突事故、3月9日に東京・瑞穂町で発生した倉庫火災などの大規模火災現場に投入され、その消火能力を発揮している。

エアコア
無線リモコンで「エアコア」を操作する隊員。走破性に優れた油圧式ゴムクローラーを採用している。最高速度は約9km/h。
エアコア
「エアコア」を操作する無線リモコン。赤いボタンは緊急停止スイッチ。
エアコア
タービン部と車両前方に各1カ所、後方に2カ所、合計4カ所に監視装置用カメラを装備している。
エアコア
監視装置用カメラからタブレット型モニターで車両周囲を確認しながら操作することも可能だ。
エアコア
走行ルートを確保するため、重機の排土板のような障害物除去装置が取り付けられている。
エアコア
油圧式ゴムクローラーを熱から保護する自衛噴霧装置。

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