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スタートアップが革新的な救助訓練用設備を開発!
菊陽町消防団が訓練で活用
災害対応経験が豊富な人材が開発
減災ソリューションズは、東日本大震災、西日本豪雨、北海道胆振東部地震など数多くの災害対応を指揮した元内閣危機管理監(第92代警視総監)の髙橋清孝氏と、警察庁の災害対策室などで数多くの災害対応に当たった元警察庁警視(現在は、警察庁長官官房「警察庁技術アドバイザー」/上武大学客員教授)の加古嘉信氏(博士(工学))らによって誕生したスタートアップ企業。日本大学理工学部の教授で全国の警察・消防機関の救助関係者を対象に倒壊構造物の安全性評価に関する教育などを推進している宮里直也氏(博士(工学))が技術顧問として在籍し、JDR(国際緊急援助隊)・医療チームやDMATとして活動しINSARAG(国際捜索・救助諮問グループ)のMedicalワーキンググループのメンバーでもある阪本太吾氏(博士(医学))が特任フェローを務めるなど、災害対応に関する実務や教育研究分野で豊富な経験を持つメンバーで構成されている。
その減災ソリューションズが、過去の災害実例の科学的・工学的分析に基づいて、革新的な救助訓練装置「Rescue Training Module」を開発した。この装置により、人命救助訓練の実践性向上と安全かつ効果的・効率的な訓練推進を図ることが同社の狙いだ。
今回の訓練で使用した「木造倒壊バージョン」とは別に、「RC/S造建物崩壊バージョン」も同時に開発している。加古氏らの減災工学の知見と経験に加え、宮里氏の技術力が反映された、最先端の訓練用設備である。
加古嘉信代表取締役社長と宮里直也氏技術顧問に聞いた「Rescue Training Module」の開発意図
「災害時にひとりでも多くの命を救うためには、平時から過去の災害実例に基づく実戦的な訓練を体系的に推進しておく必要があります。しかし、実災害現場を想定した「実戦的訓練環境」を安全に設定することは非常に難しく、そうした訓練環境は十分に整備されてきていません。そこで我々は、過去の災害事例を科学的・工学的に分析した上で、実災害現場に近い環境での訓練を安全かつ効果的・効率的に推進するための訓練用設備「Rescue Training Module(木造倒壊バージョンおよびRC/S造崩壊バージョン)」を開発しました。特に、本記事で取り上げていただいた「木造倒壊バージョン」については、救助専門部隊のみならず、消防団の訓練などにもご活用いただき、各地域の災害対処能力向上に役立てていただければ幸いです」
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訓練の模様