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【コラム】ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
―第3回目―
2024年9月7日(10日目)
私とR氏は新得を出た。
向かうは幌向ダム。
2日間にわたりランクルのイベントがある。
ポン太号もれっきとしたランクルである。
実は、今回の休暇はこのイベントに合わせたところもある。
廃止になった根室本線のそばを通り、夕張市内を抜け栗沢町の万字地区に入った。読み方はそのまま「まんじ」。
途中広場のようになっている場所を見つけた。 二人で駅があったのではないかと推測していた。
とゆうのも、この万字地区にはかつて「万字炭鉱」という炭鉱があり、採掘された石炭を麓の志文駅まで輸送する鉄道があった。
また、道路沿いには多くの炭鉱住宅が立ち並んでいたが、炭鉱は閉山となり鉄道も廃止、人々は万字の土地を後にした。
僕らが、その痕跡を探していると一人の女性と出会う。
彼女は古くから、この土地に住み、かつての繁栄も衰退も見てきたと語る。
我々が駅だと推測していた場所は炭鉱住宅が立ち並んでいた場所。
駅は川の向こう側だと教えてくれた。
彼女が言うには、冬に汽車に乗っていたら大雪で汽車が動かなくなり、駅もない場所で放り出され、雪に埋もれた線路を歩き家まで帰ったことがあると語る。
過酷な場所で暮らすことへの難しさを感じた。
雪が降って大喜びする僕ら千葉県民とはスケールが違う。
僕らは彼女が教えてくれた場所に向かった。そこには、簡易郵便局がある。
そう、まさに下ったところが、かつてのホームである。
取り壊されることなく、原形のまま残っていることに感動した。
僕らが幌向ダムに着いたのは午後12時過ぎ。
着くなりタープを広げ椅子を出す。
無駄のない動きで陣地を展開。
陣地の日陰でR氏が持ってきた酒を飲む。
ささやかな宴会が始まる。しだいに集まりだす友人で小さなタープは満員状態。宴は夜まで続いた。
2024年9月8日(11日目)
翌昼。
僕は一人、新しくできた北海道仲間たちの元を発ち石狩に向かった。
たどり着いたのは海水浴場。
そこで見た夕日は綺麗だった。
その夜は美唄の友人S氏の家でお世話になった。
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旅の最終日。夕張に向かう。