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【コラム】救急車を呼んだのに消防車が来た!?「PA連携」って何?
住宅街に消防自動車のサイレンが鳴り響く。火災かと思って玄関のドアを開けて外へ出てみたら様子が違う…。数分後に救急自動車がサイレンを鳴らしながら到着した。そんな光景を目にしたことありませんか?
写真◎編集部
近年、救急需要が高まる中、街で救急自動車の緊急走行を見かけない日はない。新型コロナウイルス感染者数と共に出場件数も増加を繰り返し、東京消防庁の救急要請のピーク時には連日出動率90%を超える日が続いた。
救急自動車は限られた医療資源だ。救急需要がひっ迫すれば当然、救急自動車の稼働率は高まり、搬送先の選定にも時間を要することになる。こうした状況が長引けば、近くの消防署では救急自動車が出払った状態となり、そこに救急出場要請が入った場合にどうなるだろうか?
現在、一部を除く全国の消防本部では、消防隊と救急隊が連携して活動する「PA連携」という活動を行っている。「PA連携」とは消防ポンプ自動車と救急自動車が連携する活動なので、消防ポンプ自動車の「Pumper」の「P」と、救急自動車の「Ambulance」の「A」の頭文字から「PA連携」と名付けたものだ。
傷病者の救出・救護を迅速確実に行うことを目的とし、救命処置を行う場合や、傷病者の搬送が困難な場合等に消防隊が救急隊をサポートする活動を行っている。
その他にも、付近の消防署の救急隊が出場中等の理由により、少し離れた位置にいる救急隊が要請された場所に向かう際は、近隣の消防隊が要請された場所に先に到着して救急処置を行う場合もある。
本当に必要な人に救急自動車が一刻も早く向かえるように、救急自動車の適正利用に心がけて欲しいと思う。