「橋 Ch'iao 2022」最終日の想定と表彰　日本チームは上位入賞！

橋Ch’iao2022を通して、私達は改めて国際的なロープレスキューの技術を目にし、その考え方に触れました。
実際の商業施設や河川、ダム、公園を利用した壮大なロケーション、内政部消防署訓練センターの構造物を利用した様々なシチュエーションからの救出は実際の救助現場そのものであり、多くの経験値をもたらしました。
また各想定の中にもこれまでの大会では見られなかった実際の現場活動に繋げるための変化があったように思います。それは多くの想定で要救助者がハーネスを着装していない状況や、ロープレスキューを選択する上での支点選択やその活用方法などです。実際の救助現場では要救助者がハーネスを着装していることは稀です。今回の現場想定では１０のうち８の想定で要救助者がハーネスを着装しておらず、要救助者の容態に応じたハーネスの着装が求められました。支点選択では、現場に有効な支点が無い場合や限られた強度の支点しかない場合を想定し、ボディーアンカー(人力支点)を選択するための根拠を持つことやレスキューのための分散荷重アンカーの設定、レスキュアをロープアクセスさせるための支点活用など状況に応じた判断が求められました。
テクニカルな想定の数々、難易度が高く想定をクリアできないチームが多くみられる中、日本から出場した３チームは全ての想定をクリアして上位入賞という好成績を残すことが出来たことは日本のロープレスキューの成長を実感するとともに、日本の消防ロープレスキューが世界的に見ても非常に高いレベルにあることを示すことができたのではないかと思います。
私達は、このch’iaoで学び得たものを、全国の仲間と共有し、さらに救助技術を発展させていくことが重要だと考えています。そしてこのトップレベルの技術がロープレスキューに取り組んでいる一部の人のものではなく、日本の全ての救助者のものとなることを目指して私たちは学び、知識や技術、感動を共有し、進化し続けていきたいと思います。
最後に、Ch’iao2022の運営に携わった皆様、この挑戦を応援してくださった消防本部および家族の皆様に感謝申し上げます。