局地的豪雨により市民が孤立!<br>近隣3消防本部合同水難救助訓練<br>―館林地区消防組合消防本部―

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局地的豪雨により市民が孤立!
近隣3消防本部合同水難救助訓練
―館林地区消防組合消防本部―

2024年(令和6年)8月9日、群馬県館林地区消防組合消防本部は、近隣消防本部の栃木県佐野市消防本部、足利市消防本部と合同で「令和6年度 3消防本部合同水難救助訓練」を実施した。

写真・文◎木本晃彦

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2024年(令和6年)8月9日、群馬県館林地区消防組合消防本部主催による「令和6年度 3消防本部合同水難救助訓練」が実施された。訓練は近隣の足利市消防本部と佐野市消防本部を加えた3消防本部合同形式で行われ、訓練会場には館林市内の「城沼」が選ばれた。

訓練内容は、邑楽館林地区での局地的豪雨の影響によって川が氾濫。周辺地区の浸水によって避難の遅れた市民が孤立したという想定だ。通報を受けた館林地区消防組合消防本部が救助艇による救出活動を行うともに、要救助者が広範囲に複数存在することから近隣消防本部へも応援を要請。合同で救助活動を行うという形で訓練が進められた。

今回の訓練では周囲約5kmの「城沼」を浸水地域に見立てており、堤防に「福祉施設からの救出」「窓からの救出」「屋根上救出」という3カ所の訓練ポイントが設けられた。それぞれの訓練ポイントに到着するまで要救助者の詳細が明かされない「ブラインド形式」とされ、救助艇と共に出動するドローンからの支援を受けながら救出活動を実施。出艇地に設けられた指揮本部では、ドローンからの映像や現場到着隊員のウェアラブルカメラ・スマホ画像を共有。要救助者の状況把握や救出方針の策定に活用されている。

艇上をはじめ活動現場は例年を超える酷暑に晒され、電子機器などの機材不調にも見まわれた。これは、現実の救助活動は救助側の都合の良い気象条件下では発生しないことから、貴重なデータとして捉えるべきであろう。トラブルに対処できたことで、参加隊員の能力は大きく向上することになった。

館林地区消防組合消防本部近隣3消防本部合同水難救助訓練
指揮本部開設後、指揮隊長から指示を受ける先遣部隊。水面上は照り返しが強いうえに救命胴衣を装着しているので、暑さによるダメージは大きい。訓練では熱中症対策が徹底された。
館林地区消防組合消防本部近隣3消防本部合同水難救助訓練
救助艇の出動に合わせて指揮本部から飛び立つドローン。
館林地区消防組合消防本部近隣3消防本部合同水難救助訓練
救助艇に先行して救助現場の状況確認を行ったほか、帰還中の救助艇を上空から支援している。
館林地区消防組合消防本部近隣3消防本部合同水難救助訓練
訓練で使用された各種ドローン。
館林地区消防組合消防本部近隣3消防本部合同水難救助訓練
佐野市消防本部が運用するドローンはDJI社製「Matrice 350 RTK」。中型機で、サイレンやメッセージを発信できるスピーカー付き。酷暑の中での運用なので、バッテリーの蓄熱などに気が配られていた。

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