電源が不要ですばやく使える機動性ばつぐんの救助ツール<br>ファーストレスポンダージャッキ【福岡市消防局】

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電源が不要ですばやく使える機動性ばつぐんの救助ツール
ファーストレスポンダージャッキ【福岡市消防局】

ファーストレスポンダージャッキはラチェット機構を利用して人力で重量物を持ち上げる。使い方によって吊り上げや引っ張り、巻き取り、開き作業や挟み作業にも対応する万能ジャッキだ。

取材協力・写真提供◎福岡市消防局
Jレスキュー2018年11月号掲載記事

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米国ハイリフトジャック社製の救助用ジャッキ「ファーストレスポンダージャッキ」は、油圧などの動力が不要で軽量コンパクトな万能ツール。マット型空気ジャッキや油圧系の大型破壊器具に比べ、ホース接続等が必要なく、また軽量コンパクトなため資機材搬送から設定まで容易にできることが特徴だ。迅速な救出活動が可能であるとして福岡市消防局では平成27年度から配置を開始。現在、救助隊4隊で保有している。

作動するツメの部分が小さく、車種や設定位置によっては姿勢が不安定になるため、活用できる場面も限られてくるという弱点はあるものの、実際の交通事故事案での使用実績は多い。

福岡市消防局での車両救助訓練にて。
可搬型かつ単体で運用できる。また活動スペースも最小で済む。福岡市消防局での車両救助訓練にて。
資機材庫に倒して収納した積載例。右下の資機材ボックスの右端に見えるのがファーストレスポンダージャッキ。
大きさは3タイプあり、高さは91~152㎝、重量は12.25~15.10kg。ひとりで充分持ち運べるほか、車内に収納時もスペースを要さない。

実災害でも大活躍

【活用事例❶】

平成28年12月、福岡市博多区において普通車1台が建物に衝突し、複数の負傷者が発生した交通事故事案。壁面と事故車両(左前輪前部)に両下肢を挟まれた要救助者1名を、事故車両の助手席側下部にファーストレスポンダージャッキを設定し、ジャッキアップにより間隙を作成して救出した。

【活用事例❷】

平成30年7月、福岡市博多区において車2台による交通事故が発生。歩道に乗り上げた事故車両1台に歩行者1名が轢かれ下敷きになったもの。事故車両の助手席側下部(後輪付近)にファーストレスポンダージャッキを設定。ジャッキアップにより間隙を作成して救出した。

福岡市消防局管内の交通事故救助の傾向

平成28年、平成29年を比較すると、交通事故出動件数に変動はないものの、活動件数および救助人員が減少している。この要因の一つとして、車両の安全性能の向上が考えられる。

車両の安全性能向上により、車内挟まれによる救出活動が減少する一方、車両の下敷きによる救出活動が割合的には増加傾向にある。

福岡市消防局では自動車メーカーによる教養講座の実施や、廃車車両等の実際の車両を使用した救出訓練の実施など、車両の特性を踏まえた救出活動能力の向上に力を入れている。

過去10年間の交通事故出動件数。
ファーストレスポンダージャッキはラチェット機構を利用して人力で重量物を持ち上げる。使い方によって吊り上げや引っ張り、巻き取り、開き作業や挟み作業にも対応する万能ジャッキだ。
取材協力・写真提供◎福岡市消防局 Jレスキュー2018年11月号掲載記事

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