想定外の事態が次々と発生!  どうする!? 熊本市消防局の震災対応<br>【熊本地震】

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想定外の事態が次々と発生! どうする!? 熊本市消防局の震災対応
【熊本地震】

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益城町(ましきまち)

赤磐市消防本部(岡山県)撮影
揺れの激しかった益城町では、多数の家屋が倒壊した。
二度にわたる震度7

今回の地震災害における最大の激震地が益城町である。4月14日の前震、16日の本震と二度にわたる震度7を記録。前震では全壊をまぬがれた家屋が本震では次々に倒壊するなど、追い打ちをかけるように被害が拡大した。益城町内で重症者6名、軽症者3名が発生し、21名*の貴い命が失われた。16日は隣接する西原村でも震度7の揺れが発生し、5名が亡くなった。

益城町は震源地に近く、布田川・日奈久両断層帯の直上に位置しているため、激しい揺れにに襲われただけでなく各所で地割れが発生し、多数の家屋が倒壊した。全壊建物は2304棟、半壊建物は2448棟、一部損壊建物は5207棟にものぼり、発災直後は多数の町民が倒壊建物の下敷きになった。

15日0時45分には早くも県内消防の応援隊が続々出動を開始。真っ暗な中で懸命な救助活動を開始した。15日01時45分には緊急消防援助隊福岡県大隊が到着し、以後、鹿児島県、福岡県、宮崎県、大分県、長崎県、佐賀県の九州各県からの緊急消防援助隊、本震後は岡山県、鳥取県、香川県、愛媛県といった中国・四国地方からの緊急消防援助隊が追加され、隊員らは瓦礫をかき分け要救助者を救出した。

*震災後に、災害による負傷の悪化、身体的負担による疾病により死亡した者を含む。

一階部分が完全に崩壊した家屋。
岡山市消防局(岡山県)撮影
一階部分が完全に崩壊した家屋。
熊本市消防局(熊本県)撮影
揺れにより道路の隆起や陥没も激しかった。
それにより迅速に現着できない場面や、通行できない道路も発生した。
屋根瓦が飛んだり家屋にヒビが入るといった被害を受けた家屋は多数あった。
善通寺市消防本部(香川県)撮影
全壊とはいかないまでも、屋根瓦が飛んだり家屋にヒビが入るといった被害を受けた家屋は多数あった。
普段は子ども達が集う公園にも、目を覆うばかりの地割れが発生した。
熊本市消防局(熊本県)撮影
普段は子ども達が集う公園にも、目を覆うばかりの地割れが発生した。
高知県消防防災航空隊(高知県)撮影
上空から見ると、瓦が飛んだため応急処置としてブルーシートをかぶせた屋根が目立つ。
4月14日21時26分に熊本地方を震源地とするM6.5、最大震度7の前震、 4月16日1時25分に熊本地方を震源とするM7.3、 最大震度7の本震を記録した熊本県から大分県にかけての地震は 「平成28年熊本地震」と命名された(平成28年5月末現在)。 この地震は、九州を横断する別府―島原地溝帯に位置する 布田川断層で発生した直下型地震(横ずれ断層型)で、 震源の深さが10kmと浅いことから、規模の大きな余震が多く、 5月20日7時現在、震度1以上を観測する地震が1512回発生している。 この地震による人的被害は、熊本県内で死者69名、重症者333名、軽症者1263名、 大分県、佐賀県、宮崎県、福岡県で重傷者が計12名、軽症者が55名となった。 (消防庁5月30日現在) 震源地に近い熊本県益城町では土砂災害は 熊本県を中心に土石流、地すべり、がけ崩れが計182件発生。 この災害に対して、消防、警察、自衛隊、DMAT、海上保安庁が 支援部隊を派遣し、捜索救助、救急医療、大規模な転院搬送を実施した。 活断層の真上にあり、多数の建物が崩落した益城町、西原村は、熊本市消防局の管轄である。熊本市内でも、重要文化財である熊本城をはじめ、大きな被害が出た。被災地消防となった熊本市消防局は課題に直面し、どう対応したのだろうか?
本特集は、熊本市消防局、阿蘇広域行政事務組合消防本部を始め、現場で救助救急活動に携わられた各府県緊急消防救援隊の方の多大なるご協力により記事にすることができました。誌面をお借りして、心よりお礼申し上げます。 【写真】薩摩川市内消防局(鹿児島県)撮影 救助活動ではブリーチングやショアリング、CSRの技術が駆使された。写真は倒壊家屋の屋根を下方穿孔し、屋内進入を試みる鹿児島大隊。 Jレスキュー2016年7月号掲載記事 写真◎熊本市消防局

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