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【コラム】トミカで見る救急車の歴史(後編)

子供から大人までに大人気のミニカー。その中でも「トミカ」は知らない人がいないほど有名な玩具である。
JレスキューWebでは『トミカで見る救急車の歴史』として後編では、平成から現代までの救急車を紹介していく。
【コラム】トミカで見る救急車の歴史(前編)はこちら。

写真◎編集部

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トミカで人気製品となった特殊救急車「スーパーアンビュランス」の誕生

平成6年(1994年)、東京消防庁では大規模災害時に現場救護所としての機能を有する特殊救急車「スーパーアンビュランス」を製作し、東京消防庁丸の内消防署に配備した。この車両の構造は車体両サイドを拡幅することで、車内に最大8床のベッド数を確保することができる。

特殊救急車の参考となった車両は、陸上自衛隊「野外手術システム」の手術車。拡幅機能を有する同車を見た東京消防庁職員の、「当庁にも大規模災害時において救護所機能を有する車両が必要ではないか」という意見から誕生したという。

導入の翌年となる平成7年(1995年)3月20日、東京都内で同時多発テロ「地下鉄サリン事件」が発生。神経ガスのサリンが地下鉄車内に散布され、乗客や駅員ら14人が死亡、負傷者は約6300人にも上った。当時のニュース映像の中で、乗客たちが築地駅から地上に運び出され、救急車などに収容される様子が映され、その中心に大きな車体を拡幅させた救急車が停車し、活動していた記憶はないだろうか? それが特殊救急車「スーパーアンビュランス」の初めて活躍した現場だったのだ。この事件による特殊救急車の実績が認められ、導入当初の、更新はしないという条件は変更され、2代目への更新が認められた。

その後、この特殊救急車は、阪神・淡路大震災を契機に誕生した東京消防庁消防救助機動部隊「ハイパーレスキュー」に配置換えされ運用されている。

特殊救急車「スーパーアンビュランス」

トミカ
通常品とは別にチュッパチャプスとセットで販売されていたオリジナルトミカの「スーパーアンビュランス」。この他にも多くのバリエーションが存在する。
トミカ
トミカのギミックにおいても車体の拡幅機能が再現されている。
スーパーアンビュランス
東京消防庁に導入された初代・特殊救急車「スーパーアンビュランス」。イカロス出版「かっこいいぞ消防車」より抜粋。

消防車と救急車を合体させた「消救車」が誕生

平成14年(2002年)、消防車製造メーカーの株式会社モリタが、消防車と救急車の機能を併せ持ったユニークな特殊車両「消救車」こと「FFA-001」(Fire Fighting Ambulance-001)を開発した。

高齢化社会、世帯人数の減少に伴い、救急出場回数は増加傾向であることから、救急車は確実に不足している。これに対応するため消救車が開発され、「救命」と「消火」の2つの機能を持つ車両が開発された。ちなみに消防と救急を同時に使用することはできない。

平成17年(2005年)1月、消救車の第1号車が千葉県松戸市消防局へ納入された。同車は左側面の扉を開放した状態で傷病者を車内へ搬送するタイプであったが、2台目からは一般的な救急車と同様に後部ドアからの搬入出へと変更されている。

モリタ 消救車 FFA-001

トミカ
トミカで製品化されたものはコンセプトカー「FFA-001」(Fire Fighting Ambulance-001)がモデルとなっている。
トミカ
車体中央に患者室を設け、後方にポンプ室が設置されている。
トミカ
車体デザインも救急車の「白色」と消防車の「赤色(朱色)」のツートンカラーになっている。ベースシャーシは三菱ふそうの6代目キャンターFEシリーズ。

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