安全運転支援システム<br>「<span style=ITS Connect」搭載拡大中!">

SpecialPR

安全運転支援システム
ITS Connect」搭載拡大中!

普及が進む安全運転支援システム「ITS Connect」。消防の世界では、緊急走行中の車両の接近を周囲の車へ知らせることができることから、救急車への搭載が拡大。2024年からは、トヨタ救急車およびトヨタ救急車“ハイメディック”に標準搭載され、消防車メーカーでもオプション搭載の開始を予定するなど、その利用はさらなる広がりをみせている。ここでは、ITS Connectと消防車両関連の企業・団体への取材を通じて、同システムがもたらす緊急車両の新時代に迫る。

写真・文◎木本晃彦(特記を除く)

Twitter Facebook LINE

ITS Connect」とは

ITS Connectは、車両同士あるいは道路に設置された路側インフラ設備と車との無線通信により、見通し外の車や人の存在をドライバーに知らせ、運転の支援につなげるシステム。他の車や歩行者が接近した際に、リアルタイムで検知してドライバーに知らせることで、安全な運転を支援する。救急車等の緊急車両と一般車が相互にこのシステムを搭載していた場合、走行中の一般車に緊急車両が接近すると、一般車の車載モニターに「緊急車あり」という表示とともにおおよその距離と方向が表示され、ブザー音でも通知する。そのため、緊急車両の走行経路の確保や安全性の向上に寄与する。また、総務省消防庁の令和3年度版「消防白書」では、救急車が利用することで搬送時間の短縮に寄与することが触れられている。

ITS Connectのイメージ
(トヨタ自動車株式会社提供)

「機関員の緊急走行にかかる
負担を軽減する
ツールになります」

ITS Connect推進協議会<br>運営委員長 本多輝彦

ITS Connect推進協議会
運営委員長 本多輝彦

救急車の搬送時間が短縮できる

ITS Connect推進協議会は、2014年(平成26年)に発足し、自動車メーカーや電機メーカーなどで構成される8社の幹事会社と18社の正会員会社に加え、関係省庁が一致協力して技術開発とともに普及活動へ取り組んできました。2023年には国内搭載車両台数約35万台(トヨタ自動車調べ)を超え、ITSコネクトによる安全運転支援の効果を実感されているユーザーが着実に増えています。

ITSコネクトを緊急車両へ搭載する最大のメリットは、緊急走行時に一般車に接近を知らせ、早期退避を促す「緊急車両存在通知」機能です。愛知県名古屋市での実証実験では、ITSコネクトを搭載した救急車が特定の区間における搬送時間を平均7.7%短縮しました。

一般車への普及率がまだまだ低いという指摘もありますが、車列中に1台でもITSコネクト搭載車があれば、速やかに退避行動へ移ることで後続車もこれに追随します。特に、渋滞が多い都市部では、ITSコネクト搭載車の普及が進んでおり、より多くの後続車が退避行動を追随することが見込まれます。このように、一般車の普及がまだ低い段階でも効果が期待できると考えています。

視認する前に情報を得られる

消防車両へのITSコネクト搭載は、安全運転支援の面でもメリットが大きいです。車載カメラやレーダーによる運転支援は、あくまでも運転者の視野の範囲内で支援しますが、ITSコネクトは車々間や路側機器との通信により、運転者が視認する前に危険を予測して回避を促すことが可能です。これは、緊急走行時はもちろん、通常の運転時にも機関員の緊張と負担の軽減へつながります。

救急車や消防車は社会インフラの一部であり、走るインフラ・動くインフラといっても過言ではありません。救急車や消防車へのITSコネクト搭載と普及は、搬送時間と現場到着時間の短縮や事故軽減のために必須だと考えています。

ITS Connectの普及状況とユーザーの声

2020年6月より救急車への搭載を開始後、現在47すべての都道府県で搭載実績があり、2023年12月末の時点で、日本の救急車の総数(令和4年版消防白書 消防本部における救急車保有台数:6549台)のうち約2割に搭載されたITS Connect。2024年1月からはトヨタ救急車およびトヨタ救急車“ハイメディック”に標準搭載されるようになった。

同年7月に調査会社が全国の消防職員を対象に実施したアンケートでは、「ITS Connectを搭載したいか?」という質問に対し、約85%の回答者が「搭載を希望する」と回答した。

また、ITS Connectを搭載した乗用車のドライバーは、ITS Connect搭載の緊急車両が接近した際に、通知機能によってその存在に気づき、退避しやすくなったという意見が多い。同調査会社が乗用車のユーザーに実施したアンケートでは、「救急車の存在のお知らせにより、退避行動がとりやすくなるか?」という設問に対し、86%の回答者が「退避行動がとりやすくなる」と答えている。

救急隊員Aさん
サービスの送信だけでなく受信機能もあるので、緊急走行中の別の救急車が搭載していれば、いち早くその存在に気がつけるのでありがたい。
救急隊員Bさん
病院で待機中に、他の救急車が緊急走行で病院に向かってきていることがわかり、スムーズに場所を譲ることができた。
50代女性
救急車の姿は見えなくても、通知を受けると意識して救急車を見つけるようになった。
60代男性
耳の遠さからサイレン音が聞こえづらいときでも、救急車の接近がわかりとても安心です。
ハイメディックITS
ITS Connectを搭載したトヨタ救急車およびトヨタ救急車“ハイメディック”は、メーター内にある「マルチインフォメーションディスプレイ」に緊急車両の方向と距離(150m/100m/50m/自車付近の4種類)が表示される。(トヨタ自動車株式会社提供)
データ送受信のための「シャークフィンアンテナ」
ITS Connectを搭載したトヨタ救急車およびトヨタ救急車“ハイメディック”の外観写真。データ送受信のための「シャークフィンアンテナ」がついているのが特徴だ。(画像提供:株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)

次のページ:
インテリジェントアタッカーにも搭載開始!【メーカーインタビュー】

Ranking ランキング