消防ポンプ自動車CD-I型(救助資機材積載)いわき市消防本部

日本の消防車両

消防ポンプ自動車CD-I型(救助資機材積載)いわき市消防本部

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レスキューツールは厳選

救助資機材については、従来のⅡ型救助工作車と同じというわけにはいかず、再検討が必要となった。まず、管内に主要国道や高速道路があるため、「交通救助」を主眼としたレスキューツール、エアジャッキなどは最も使用頻度が高く、削減することはできない。破壊器具類については、救助だけでなく火災現場でも使用するために積載が望ましい。他方、使用頻度の低いガス溶断機や削岩機、レスキューツールで代用可能なポートパワーなどは積載を見送ることにし、この車両で対応できない複雑な救助事案に対しては、隣接の平消防署から多くの高度救助資機材を積載した高度救助隊のⅢ型救助工作車が応援出場する体制とした。

これらの積載方法は、車両右側に消火系資機材、車両左側に救助系資機材、車上ボックスにはサイズが大きいまたは使用頻度の少ない資機材を中心に積載し、効率良く、積載場所もわかりやすくしている。

今回、消防ポンプ自動車と救助工作車を一体化した消防ポンプ自動車CD-I型(救助資機材積載)を導入したことにより、隊員と車両装備両方の機動性が向上し、さまざまな災害に迅速に対応可能となったのは言うまでもない。

リア
後部は加納式ホースカー
後部は加納式ホースカー、上部にエアジャッキ等が積載されている。
収納
車両上部には3つのボックス
車両上部には3つのボックスがあり、写真左側(車両左側)担架、PFD、ブルーシート、接続吸管、写真右側手前(車両中央前方)圧縮空気式救命索発射装置(レスキューマックス)、ロープ類、写真右側奥(車両中央後方)分割式バスケットストレッチャー、山岳救助用ザイル等となっている。
単はしご、三連はしごおよび鳶口
単はしご、三連はしごおよび鳶口は手動式昇降装置で地上近くまで下降する。
ポンプ部
ポンプ部は放水口、中継口、接続吸管用吸口が一列に並べられ、ポンプ制御装置なども含めてコンパクトに仕上げられている。
右側後部
右側後部は展開式となっており、表側にスタンドパイプや消火栓鍵などの消火関連機器、裏側にロープ類の救助関連機器と分けられている。
車両中央部
車両中央部に側方取出式吸管巻取装置が設けられ左右どちらからでも延長が可能。
現場までの搬送も容易
レスキューツールは電動油圧式となったことでパワーユニットや油圧ホース類がなくなり、収納スペースが小さくて済む上に現場までの搬送も容易となった。
本車両を運用する内郷消防署の隊員。
本車両を運用する内郷消防署の隊員。
五面図
【SPECIFICATIONS】

車名:日野
通称名:デュトロ
シャーシ型式:TKG-XZU685M
全長:5780mm
全幅:1900mm
全高:2900mm
ホイルベース:2800mm
最小回転半径:6.0m
車両総重量:6105kg
乗車定員:5名
原動機型式:N04C-UP
総排気量:4009cc
駆動方式:4×4
ポンプ:A-2級(ALR-3型)
ホースカー:加納式
配備年月日:平成29年2月7日
艤装メーカー:日本機械工業

いわき市消防本部 内郷消防署[福島県]
写真・文◎橋本政靖 「日本の消防車2018」掲載記事

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