特殊災害対策車[除染車] CS2 東京消防庁

日本の消防車両

特殊災害対策車[除染車] CS2 東京消防庁

東京消防庁 第九消防方面本部消防救助機動部隊 [東京都]

写真・文◎木下慎次
「日本の消防車2014」掲載記事

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リアの構造に注目!

歩行困難者の除染をスピーディにした新システム
消防車
初代を進化させ、新たに4台が製作されたCS2除染車。歩行除染ブース1室が増設された構造に。

特殊災害対策車[CS2]。同名車両の中でもこの車両の役割は、NBC災害の現場において要救助者に対する除染活動を行うための専用車両「除染車」という位置づけになる。除染を主眼とした車両には、総務省消防庁が整備を進めている大型除染システム搭載車があるが、これは除染テントなどをコンテナに収めたものであり、車両としては支援車Ⅱ型相当の構造となる。一方のCS2は、車両後部に除染設備(シャワー室)が装備されており、大掛かりな設定なしに使用できるのが特徴だ。

初代CS2は平成17年3月にデビューし、現在(平成25年現在)も3HR(第三消防方面本部消防救助機動部隊)で運用されている。同車を進化させた次世代モデルが、9HR(第九消防方面本部消防救助機動部隊)を始めとするハイパーレスキューに配備された車両だ。初代車は車体側に歩行用シャワー室×2室と臥位用シャワー室×1室を含めて計6区画に分けていたのに対し、新型車では制御室兼積載庫×1室、脱衣室兼歩行用シャワー室×3室、着衣室×3室、臥位用シャワー室×1室の計8区画が用意されている。

注目なのが臥位用シャワー室だ。初代車は歩行用と並んでシャーシの上にシャワー室がある構造のため、バックボードに収容した要救助者を搬出入する際、ステップ昇降が必要になる。そこで、新型車では車両後方に展開式のシャワー室が設置されたのだ。現場で使用する際は、地上面にシャワー室が設定されるため、要救助者の搬出入が格段に簡単になった。また、臥位用を地上に展開することで、車体側に歩行用を1室プラスさせることができる。

同車には300リットルの給水槽を装備しており、シャワーは3時間連続で同時5口の使用が可能。そして使用した水は汚水槽(300リットル)に回収する。新型車の場合、汚水槽より臥位用シャワー室の床のほうが低い位置にある。そこで汚水回収用ポンプを備え、センサースイッチにより自動的に作動して水を汚水槽に移すことができるようにしてある。

この新型車は新設されたNBC対応部隊である9HRだけでなく、第二・第六・第八本部の各機動部隊にも同時配備された。

消防車
車両後方に見える大型昇降装置が展開式の臥位除染ブースだ。
臥位用シャワー室
消防車
天井面を跳ね上げ、床部分を接地させた状況。
消防車
壁を手前に引き出すことで除染ブースが完成する。
消防車
給湯システムを備えており、シャワーからは温水が出る。床付近に見えるのが排水ポンプ。
消防車
内部は中央にローラーコンベアを置き、ここに要救助者を載せる。
消防車
隊員は要救助者を挟んで左右に位置し、除染を行う。
消防車
排水ポンプを作動させるためのセンサースイッチ。
消防車
床面が地面の高さとなったため、要救助者の搬出入が格段に容易になった。
消防車
着衣室から歩行用シャワー室を見た状況。通常は階段式ステップが跳ね上げた形で収納されている。
消防車
階段式ステップは防護服姿の隊員でも安心して昇降できる、踏みしろの広い仕様を採用。
消防車
要救助者に限らず、活動を終えて脱出する隊員もここで除染を行う。
消防車
汚水を回収するためのタンクも装備。
消防車
給湯器を作動させるためのガスボンベも搭載している。
消防車
制御室下に位置する300L容量の清水タンク。
消防車
プライバシー保護用の天幕も装備。
消防車
【SPECIFICATIONS】

全長:8500mm
全幅:2490mm
全高:3600mm
重量:11000kg未満
最小回転半径:7.3m

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