消防ポンプ自動車CD-Ⅰ型 東京消防庁
整備のしやすさも考慮
毎年の更新にあたっては、装備部装備課が各署所にアンケートなどを実施して「悪路での走行を容易にするため、燃料タンクの取付位置を極力高くしてほしい」など現場の声を吸い上げ、さらに車両の製作会議や安全対策会議などを経て仕様が決められている。東京消防庁では装備部が装備工場を持ち、車検や緊急工事などのほとんどをそこで行っているため、車両設計、車両製造に関しては装備工場も直接艤装メーカーに要望を出すケースもある。たとえば、「資器材収納庫内のこの骨を少し移動できないか」「給脂ニップルを黄色塗装してほしい」など、納車後のメンテナンスを考慮した要望が盛り込まれている。給脂ニップルの黄色塗装は、署所の機関員が日常点検を行っていることによるものだ。
自らの装備工場が車両整備全般を受け持つ東京消防庁だけに、このように整備する側からの意見が艤装メーカーでの車両製作に反映される。同庁ならではのケースだ。
ポンプ車総数670台。スタンダードを設定せずにこれを製作していけば、運用隊の混乱だけを招く結果となる。
「先人の知恵を生かしつつ更新する」(装備部装備課ポンプ車担当)というように、いたずらに新しくするのではなく、いいところは残し、改めるべき個所だけを改良していく。これが東京消防庁の車両製作の基本だ。
リア
車上
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