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神奈川県内初!横須賀市消防局に「土砂災害機動部隊」発足!
横須賀市消防局は神奈川県内では初となる「土砂災害機動部隊」を発足させた。重機を扱うプロフェッショナル部隊の訓練披露をレポートする。
写真◎編集部
~Land slide(土砂災害)Task Force(機動部隊)~
令和5年4月10日、横須賀市消防局は神奈川県内では初となる「土砂災害機動部隊(LTF)」を発足させた。
近年、全国的に多発傾向にある土砂災害であるが、横須賀市においても過去に発生例があり、市内には平地が少なく、100~200m内外の起伏が多い丘陵および山地が多いという厳しい地形での活動が想定される。こうした地域特性と日本一トンネルが多い場所であることから、さらなる消防防災体制の強化を図るため、令和3年に横須賀市消防団長である宇内正城氏から重機の寄贈(油圧ショベルとホイルローダー)を受けた。
宇内建設株式会社の代表取締役を務める宇内団長は、令和元年度に神奈川県主催の大規模地震災害訓練の視察に行った際に、消防職員が油圧ショベルを操作し、人命救助活動をしている状況に感銘を受け、「横須賀市でも過去に重機を必要とする災害が発生しており、今後は横須賀市消防局でも同様に活動ができるように」との思いから、令和3年3月に油圧ショベルを寄贈という流れとなった。
さらに、「土砂災害現場では、油圧ショベルとホイルローダーの2台が連携したほうがより良い活動ができる」という宇内団長の強い思いから、令和3年7月に宇内氏個人からホイルローダーが寄贈された。
土砂災害現場では油圧ショベルを用いて瓦礫や土砂をピンポイントで除去していくが、除去されたものは油圧ショベルの周囲に堆積していく。ホイルローダーは、この堆積物を一気に他の場所に移動させることが可能であり、この2台が連携することで、これまでより迅速な人命救助活動が可能となった。
また、これまでは重機が出動する際に宇内建設へ搬送を依頼するという出場体制であったが、より迅速な対応を図るため2台の重機搬送車を新たに導入した。配置場所は横須賀市消防総合訓練センターで、運用隊は浦賀出張所消防隊(消防ポンプ車と乗り換え)。管轄地域は横須賀市、三浦市全域となる。災害派遣としては、緊急消防援助隊神奈川県大隊および土砂・風水害機動支援部隊に登録。県内消防相互応援協定や県内消防広域応援による出動要請にも対応する。
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救助演技デモンストレーションへ続く!