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【コラム】元消防士による「ミニチュアまとい工芸展」開催

元消防士が10年前にミニチュア工房を立ち上げ、10周年を記念に「ミニチュアまとい工房展」を開催。これまでの経歴と作品を紹介する。

写真・文◎渡辺顕(まとい工房南天)

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みなさんこんにちは! 私は秋田県秋田市在住、まとい工房南天の渡部顕(わたなべあきら)と申します。この仕事を初めて10年になりますが、主にミニチュアの纏と日本家屋を製作しております。それ以前は私も消防官として秋田市消防本部に奉職していましたが、早期退職してこの工房を立ち上げました。

きっかけは、出初式で署員手作りのミニチュア纏を市民の方々にプレゼントしていたことでした。物づくりが好きな私は、出初式用ではなくオリジナルの纏を製作したくなり、休暇日に作りはじめました。
ある程度納得のいく作品ができ、先輩の退職記念品としてプレゼントしたところ、これが好評を博し、嬉しくなって益々製作に力が入り、趣味が高じて消防を退職し、現在に至っています。
それでは作品を紹介していきます。

まとい工房南天
私が製作する纏で一番小さく、高さが約3.5cm、写真中央は一番大きく約15cmとなっています。
まとい工房南天
一番大きくなもので約15cmとなっています。
まとい工房南天
非売品ですが、2018年甲子園100回大会で準優勝した、秋田県立金足農業高校のエース吉田輝星投手の記念纏飾りです。

纏は振った時の形が末広がりとなるため、今では縁起物といわれており慶事の贈り物として、また火伏せの御守りとして重宝されています。
中でもご注文が多いのは消防職員団員の退職や叙勲記念品です。名入れが可能ですので、贈られる方のお名前や消防本部名、消防章などを入れて、世界に一つだけの贈り物して喜ばれております。

まとい工房南天
纏飾りはケースの幅が約160cmで、かなりのビッグサイズです。お客様のご要望で製作し約1年を要しました。江戸の火消しは「いろは48組本所深川16組」合計64組で組織され、各組64本の纏を再現してみました。写真では細かい部分がはっきりしませんが、それぞれの形に意味があります。たとえば「い組」の纏は丸い芥子の実と四角い升を表し「消し(芥子)ます(升)」となっています。

纏の他に日本家屋のミニチュアも製作しています!

まとい工房南天
四季の館シリーズ「春の茶屋」です。枝垂れ桜はスポンジを細かく砕き、ピンセットで一つひとつ貼り付け、この作業だけでも約三日を要しました。
まとい工房南天
「め組の番屋」です。日本家屋も火消しに結びつくものを作りたく、架空の番屋を想像して製作しました。

秋田市消防本部を50歳で退職し今年でちょうど10年になりました。
工房の仕事を始めた頃、商売が軌道に乗らず苦しい思いもしましたが、家族や知人の協力もあって今ではホームページ等を通じて、全国から注文が入るようになりました。
人命救助に命をかけた30年、その思いをそのまま纏作りに活かして、今後も皆様の安心安全を祈念しながら、ていねいに纏を作り続けていきたいと思っています。

最後になりますが創業10周年を記念してこの度、初の個展を開催します。驚いたことに、なんと「第33回全国救急隊員シンポジウム AKITA2024」(令和6年11月21日・22日)が秋田市にて開催と会期が重なり、しかも会場が個展会場まで徒歩3分と目と鼻の先です!お時間のある方は、ぜひお立ち寄り下さい。

まとい工房南天
現役消防士時代の渡部顕さん。
まとい工房南天創業10周年記念 「ミニチュアまとい工芸展」

日時:11月21日(木)~24日(日)
   10:00~17:00(最終日のみ16:00まで)
場所:アトリオン2階美術展示ホール
   秋田市中通2-3-8
問合せ:渡部顕(わたなべあきら)090-8924-6122
HP:https:/www.nanten64.com

元消防士が10年前にミニチュア工房を立ち上げ、10周年を記念に「ミニチュアまとい工房展」を開催。これまでの経歴と作品を紹介する。
写真・文◎渡辺顕(まとい工房南天)

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