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【コラム】ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
―第3回目―

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2024年9月9日(12日目)

そして、旅の最終日。
乗船予定の船まで時間があった。とはいえ、向かう先は限られる。選んだのは夕張。

ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
つぶれかけの廃屋に住む猫。
ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
這い上がろうとする夕張の民と厳しい現実。
ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
また来ます、夕張。
ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
道の駅あびらに保管中のキハ183系。
ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
苫小牧フェリーターミナルで乗船を待つ。
ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
最後の夕日が暮れていく。

観光をして苫小牧に着いたのは出航1時間前。
慌てて荷造りをして受付を済ませる。

慣れた感じで船に乗り込む。
行きと同じコンフォート席。行きとは違う満たされたような寂しいような感情で荷物を整理した。

甲板に出て夕日を眺めながら旅を振り返る。充実していて北海道での10日間はあっという間だった。
消防車で旅をすることは夢だった。その先で出会った多くの人々。
あの時、あの場所、この車じゃなければ出会えなかった。
一人旅だが結局、多くの人と出会い一人ではなかった。
もう、彼らと会うことはないのかもしれない。
でも、きっと何処かで彼らと出会ったことを思い出すのだろう。
それは、幸せな瞬間か苦難に直面した瞬間か、はたまた、お風呂に入っているときか。

今は思い出の中の旅人たちよ。どうか、みんなお元気で。

2024年9月10日(13日目)
ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
大洗に帰還したオーナーとどや顔のポン太号。
ランクル消防車「ポン太」と北海道の旅
船の手配をしてくれたN氏。

大洗に着くとN氏が迎えてくれた。
N氏に旅の思い出を語る。いくら語れど話は尽きない。

僕はN氏に言った。
「また、予約お願いします。」

また、旅にいきます。

子供の頃の夢。 小学生の卒業文集に“消防士になる”と書いた。 しかし、中身をよく読むと“消防車でドライブがしたい”という極めて不純な動機で消防士を目指していたことがわかる。 この夏、その夢を果たしに僕は34年落ちのトヨタ・ランドクルーザー(通称・ランクル)60系の元消防車「ポン太号」で北海道へ13日間の旅に出た。
写真・文◎UsUk

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