静岡県磐田市で「防災+文化芸術」イベント<br>「Drrart Iwata」開催

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静岡県磐田市で「防災+文化芸術」イベント
「Drrart Iwata」開催

静岡県磐田市で防災と文化芸術をテーマにしたイベント「Drrart Iwata(ドラート磐田)」が開催された。

写真・文◎木本晃彦

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「楽しいこと」の中で災害を学べるイベントに

2024年(令和6年)4月13日、静岡県磐田市の豊岡中央交流センターで防災イベント「Drrart Iwata 2024」が開催された。“Drrart”(ドラート)とはDRR(Disaster Risk Reduction:災害リスク軽減)とART(芸術)を組み合わせた造語で、イベントの副題でもある“防災+文化芸術”を表したものだ。

磐田市は2022年9月23日の台風15号によって、800件を超える住宅が被災。道路や農地へも大きな傷跡を残したが、その中心地がイベント開催地となった豊岡地区となる。地区内に設置された雨量計では336.5mmという記録的な雨量が観測され、敷地川の堤防が決壊したことにより大規模な冠水や土砂崩れが発生した。

今回のイベントを計画した、「いわた防災プロジェクト」代表の久保田英(くぼた・あい)さんは、豊岡地域同様に台風15号の被災を経験した静岡県島田市川根町出身。被災した状況を目の当たりにしてしまうと、楽しいことに目が向かなくなり、ネガティブな思考となることに気づかされた。この経験から、楽しく防災が学べるイベント開催を考えるようになり、実現を目指して行動に移した。当初は自身の出身地である島田市川根町での開催も考えたが、会場のキャパシティの面で断念。しかし、豊岡出身の磐田市議から賛同を得られたことで事態は好転し、今回の開催に至った。

会場内では地域の特産品や雑貨を販売するブースと防災関連のブースが同居し、地元画家の個展や茶室も設けられた。防災イベントにありがちな堅苦しさはなく、地域の文化・芸術といった“楽しいこと”の中で、災害という“非日常”を学んでいくというコンセプトが実現されていた。磐田市の地質地形と自然災害をテーマとした講演会や、防災カードゲームといったイベントも盛り込まれ、硬軟取り混ぜた手法は防災イベントに一石を投じる内容と言えよう。

Drrart Iwata
静岡県磐田市の霊犬伝説「悉平太郎」をイメージしたPRマスコットキャラクター「しっぺい」(写真右)と、昆虫のベッコウトンボをモチーフにした磐田市消防本部のイメージキャラクター「べっくん」(写真右から2番目)が、各ブースを回ってイベントを盛り上げた。
Drrart Iwata
屋内ステージで行われたフットボールパフォーマンスでは、べっくんが華麗なリフティングを披露。
Drrart Iwata
屋内会場では様々な展示・販売ブースが設けられた。写真は磐田市社協の応援活動をパネル展示したブース。

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屋外では磐田市消防本部の消防車両を展示

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