令和4年度 東京消防庁・国立市・立川市・ 昭島市合同総合水防訓練

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令和4年度 東京消防庁・国立市・立川市・ 昭島市合同総合水防訓練

大水害に備えよ!
3年ぶりに大規模水防訓練を実施

写真・文◎編集部
Jレスキュー2022年7月号掲載記事

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 5月21日、東京都国立市多摩川河川敷において、台風や集中豪雨が多発する時季を前に、多摩川のはん濫による大規模な水災の発生を想定し、東京消防庁、水防管理団体および関係機関が連携した訓練を実施した。東京消防庁との合同訓練は、新型コロナウイルス感染症の拡大以降は訓練中止を余儀なくされていたことから、3年ぶりの大規模水防訓練となった。
 訓練には、令和2年2月に発隊した即応対処部隊を中心とした消防部隊をはじめ、国立市、各自治体の消防団員、国立市内町会・自治会など合計28機関、約500名、消防ヘリコプター2機、参加車両47台が参加した実践的な訓練となった。
 訓練想定は、台風の影響で活発化した前線に伴う集中豪雨により、国立市内で道路の冠水や家屋への浸水、土砂災害が多発。道路の冠水や家屋への浸水を防ぐため各種簡易水防工法を実施する中、多摩川が増水し氾濫危険水位に到達したため、国立市長が避難指示を判断し、住民の避難訓練を行う。また、消防部隊をはじめとした防災機関は、多摩川の越水を防ぐため連携した活動を行い、浸水した建物や土砂災害により倒壊した家屋、河川に流された要救助者の救出救助活動を展開した。

即応対処部隊
即応対処部隊の全地形活動車と世田谷消防署三宿出張所の消防活動二輪車が被害状況の情報収集にあたる。
高機能救助車
冠水建物救助訓練では、即応対処部隊の高機動救助車(写真前・活動型、奥・資機材搬送型)が冠水地域に取り残された要救助者の救出活動へ向かう。
高機能救助車
高機動救助車(資機材搬送型)が、冠水地域へ消防部隊を輸送する。
ドローン
即応対処部隊が進入困難な地域においてドローンを使用し、上空より偵察しながら被害状況と情報収集を行う。
土砂災害訓練
土砂災害倒壊建物訓練では、水防用ベルトコンベアと重機を使用し土砂の搬出、救出救助活動を行った。ベルトコンベアの正面に設置された三脚は、土砂災害用遠隔監視装置。
救助犬
日本レスキュー協会の災害救助犬(レスキュードッグ)が、行方不明者の捜索活動にあたる。
消防ヘリコプター
孤立地域対応訓練では、大型消防ヘリコプター「こうのとり」が、航空救助機動部隊の査察広報車を空中輸送し、部隊投入を行う。
消防ヘリコプター
消防ヘリコプターが車両を吊った訓練では、一般見学者も食い入るように見守っていた。
高機能指揮支援車
指揮活動拠点形成訓練では、高機能指揮支援車が拠点となり現場指揮本部を形成。ボディを拡張することで、約70㎡の室内空間を作ることができ、大規模災害時には被災者の緊急避難場所や、消防隊員の活動拠点として活躍する。冷暖房を完備するほか、可搬ミスト発生装置や熱中症予防WBGT 表示パネルを備え、熱中症対策を実施する。
消防ヘリコプター
要救助者救出訓練では、消防ヘリコプター「ちどり」が、河川に取り残された要救助者をホイスト救助する。
大水害に備えよ! 3年ぶりに大規模水防訓練を実施
写真・文◎編集部 Jレスキュー2022年7月号掲載記事

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