栃木県に高度救命救急センターの設置を!<br>次の栃木を考える会「つぎとち」開催

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栃木県に高度救命救急センターの設置を!
次の栃木を考える会「つぎとち」開催

2024年(令和6年)8月29日、栃木県宇都宮市にあるライトキューブ宇都宮で、「次の栃木を考える会」の一般公開セミナー「奈良県救急医療の変遷:全国最下位からの脱却 ~高度救命救急センター、再考~」が開催された。

写真◎編集部

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2024年(令和6年)8月29日、栃木県宇都宮市にあるコンベンションセンター「ライトキューブ宇都宮」において、「次の栃木を考える会」(通称:つぎとち)が主催する第10回一般公開セミナー「奈良県救急医療の変遷:全国最下位からの脱却 ~高度救命救急センター、再考~」が開催された。

今回は奈良県立医科大学附属病院高度救命救急センター所長の福島英賢教授を招き、「奈良県救急医療全国最下位からの脱出 〜高度救命救急センター、再考〜」と題した講演が行われた。

福島教授は、奈良県では初診時に重症や死亡と判断された搬送事案で、病院に4回以上受け入れ照会をした割合が2006年に全国で最下位であったことから、これまでの奈良県下の救急医療体制について、ドクターカーやドクターヘリの活用による病院前救護と病院前診療体制の充実に取り組んできた。また奈良県立医科大学附属病院が基幹災害拠点病院であることから、県内の災害医療体制の充実にも取り組んできた。加えて、奈良県内の医療機関と行政、消防機関が連携して問題に取り組んだことにより、徐々に良い結果が見えるようになったと述べた。

奈良県といえば、2022年7月8日に選挙演説中の安倍晋三元内閣総理大臣が銃殺された事件が記憶に新しいが、その際に日本最高レベルの救命救急医療が提供されたのはけっして偶然ではなかったこと。奈良県は、2000年代初頭の厳しい状況から15年をかけて、県政のリーダーシップによって救急医療を築き上げ、要人銃撃事件における地場での医療提供を成し遂げられたと話した。

さらに、関東では栃木県だけ高度救命救急センターを設置していないことを受け、栃木県で救急事業の強化を行うのであれば、県政のリーダーシップが必要であること、地域の安全と安心を作り込むため高度救命救急センターの設置が必要であると語った。

次の栃木を考える会
福田富一栃木県知事も来賓として出席した。左から、栃木県知事・福田富一、奈良県立医科大学附属病院高度救命救急センター所長・福島英賢教授、栃木県済生会宇都宮病院救命救急センター長・小倉崇以(たかゆき)。

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栃木県にも高度救命救急センターを!

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