Special
1000床を持つ世界最大の病院船「マーシー」
メインデッキ2# 放射線科
メインデッキ3# 血液バンク
メインデッキ4# Pre-Op
メインデッキ5# 手術区画
メインデッキ6# 集中治療室
今回、マーシーのメインマストの上には「31」と書かれた旗が掲げられていた。これは第31駆逐隊の指揮官がマーシーに乗船していることを示している。第31駆逐隊は6隻の駆逐艦を指揮下に持ち、西太平洋やインド洋などで活動している。なぜ戦闘艦の指揮官が病院船の作戦行動を指揮しているのか? 指揮官に直接質問してみると、「この海域を一番よく知っているのは我々だ」と話した。マーシーはサンディエゴをベースに訓練航海しており、短期の航海では船長が指揮を執るが、今回の派遣では高速輸送船「バーンズウィック」が帯同しているので指揮官が必要になるという。ただし、マーシーは戦闘指揮系の通信能力がないためマーシーからはイージス艦に指揮は出せず、イージス艦に乗りこんだ駆逐隊の副指揮官が全体を指揮するという。
こうした体制をとるのは、戦時には作戦海域内で病院船が医療活動するケースが想定されているからだ。場合によっては病院船の海域が不安定になり、駆逐艦の護衛が必要になるかもしれないし、あえて戦闘地域に近づく必要があるかもしれない。今回、マーシーがバーンズウィックと共にパシフィック・パートナーシップ演習に参加しているのは、有事の際に作戦海域で駆逐隊が病院船を運用することを想定した行動であるともいえ、アメリカ海軍が病院船を維持するために必要な訓練だったともいえる。