Special
神戸レスキューの50年
ー苛酷な活動を通して培った「不屈の精神力と気概」
神戸市消防局 救助隊50年の歩み
西日本で初となる 救助専任の部隊
昭和43年5月に発足した専任救助隊の隊員は12名。
発隊に先立ち昭和41年から42年にかけて、隊員は陸上自衛隊富士学校で救助技術に関する教育、訓練を受けている。救助隊専用の車両や資機材も用意され、局本部の直轄隊としての設置であった。戦前の警視庁消防部(のちの東京消防庁)を例外とすれば、消防による救助隊は当時、横浜市消防局の消防特別救助隊しか存在せず、西日本の消防本部としては初の救助隊発隊であった。
さらに昭和44年には灘消防署、昭和45年には須磨消防署に専任救助隊が発隊し、それぞれ東部方面専任救助隊、西部方面専任救助隊と名付けられた。一方で神戸市消防専任救助隊が名称変更した中部方面専任救助隊は生田消防署の所属となった。神戸消防としてはここに、所属の専任救助隊3隊体制が整うこととなった。
各方面で整備が進む署救助隊と専任救助隊
昭和61年、当時の自治省(現総務省)により救助隊の編成、装備および配置の基準を定める省令が発令されると、翌年には神戸市消防局でも専任救助隊の配置がない各消防署に兼任救助隊を配置することになり、東灘、葺合、水上、北、兵庫、長田、垂水、西の各消防署に署救助隊(兼任救助隊)が発隊する。
平成5年には兼任救助隊である西消防署救助隊、さらに平成12年には長田消防署救助隊が専任救助隊となり、それぞれ第5方面専任救助隊(西消防署)、第4方面専任救助隊(長田消防署)に改組された。
また東部方面専任救助隊は第1方面専任救助隊(灘消防署)、中部方面専任救助隊は第2方面専任救助隊(生田消防署、平成12年から中央消防署)、西部方面専任救助隊は第3方面専任救助隊(須磨消防署)と改称され、東部、中部、西部から第1、第2、第3へと名称が変更された。
その後、平成13年には第1方面専任救助隊が灘消防署から東灘消防署に、第3方面専任救助隊は須磨消防署から北消防署に配置転換されている。平成15年には北消防署管内に北神消防分署が設置され、同分署に署救助隊が発隊した。
特別高度救助隊 スーパーイーグルこうべ
平成18年、総務省による救助隊の編成、装備および配置の基準を定める省令の改正に伴い、第2方面専任救助隊(中央消防署)は特別高度救助隊「スーパーイーグルこうべ」(通称SEK)として生まれ変わり、水上消防署へ配置転換された。また第1方面専任救助隊が東灘消防署から再び灘消防署に、第5方面専任救助隊が西消防署から垂水消防署に配置転換されている。
平成25年には第2方面専任救助隊(特別高度救助隊)が本部直属隊となって、中央消防署に常駐することになった。これにより、神戸市消防局の現在の救助隊の編成、配置が整うことになった。
一方、市街地が東西に長く海岸線に接している神戸市では、陸上の救助隊だけでなく、いわゆる水難救助隊の存在も重要だ。神戸消防では水難救助隊という独立した隊としては設置していないが、第2方面専任救助隊(特別高度救助隊)、第4方面専任救助隊、第5方面専任救助隊、水上消防署救助隊、以上4隊が潜水隊指定隊となっており、水難救助事案で潜水隊として出場する。なお、他の方面専任救助隊、署救助隊では各隊員が急流救助研修を修了し、全隊が水面救助事案に対応できる。
さらに六甲の山並みが迫るため、各救助隊は文部科学省が実施する山岳遭難救助研修修了者を中心に山岳救助事案への対応も万全だ。
神戸市消防局の救助隊配置
[東灘消防署] 署救助隊
[灘消防署] 第1方面専任救助隊
[中央消防署] 第2方面専任救助隊(特別高度救助隊)
[水上消防署] 署救助隊
[北消防署] 第3方面専任救助隊
[北神消防分署] 署救助隊
[兵庫消防署] 署救助隊
[長田消防署] 第4方面専任救助隊
[須磨消防署] 署救助隊
[垂水消防署] 第5方面専任救助隊
[西消防署] 署救助隊