深夜の歌舞伎町に指揮隊が出場! 大久保第1小隊と連携で危険排除

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深夜の歌舞伎町に指揮隊が出場! 大久保第1小隊と連携で危険排除

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指揮隊車、部署。
岡村通信担当を指揮隊車に残し、髙橋大隊長と4名の指揮隊員が現場建物へと向かう。

先着の大久保第1小隊の報告のとおり、建物内ではベル鳴動もない。髙橋大隊長と深井伝令は通報者である飲食店のある階へ向かう一方、佐藤指揮担当は現場建物の周囲の状況を確認してから髙橋大隊長に合流、浅田情報担当はどこかにビルの管理会社名の表示がないかチェックする。

先着していた大久保1小隊も現場から1ブロック離れた通りで水利部署。
先着していた大久保1小隊も現場から1ブロック離れた通りで水利部署。
管理会社の担当者が現着し、全隊引き揚げの大隊長命令

髙橋大隊長は現場の飲食店で、先着していた大久保第1小隊から漏水は局部的なものとの状況報告を受ける。佐藤指揮担当からはビルの周囲にも特に異常は認められないとの報告があった。追って現着した東京電力の担当者からも、漏電危険はないとの報告だ。

一方、携帯無線機により浅田情報担当から、管理会社の夜間連絡先を見つけたとの由。さっそく連絡したところ、30分後には管理会社の担当者が現場まで来てくれることになった。

漏水が全館的なものなら漏電危険の可能性が大きくなるが、ごく局部的なものに留まっている。このことから髙橋大隊長は通報者に状況を説明しつつ、管理会社の到着を待ち、対応を引継いだ後に引き揚げを決断し、全隊引き揚げの大隊長命令。ただちに深井伝令は指揮隊車の岡村通信担当に携帯無線機で伝える。岡村通信担当はすぐに大隊長命令を車載無線機で警防本部に送信した。

人命危険がないとわかった以上、なるべく早く戻って次の災害に備えなければならない。髙橋大隊長率いる新宿指揮隊、大久保1小隊はただちに引き揚げを開始。もちろん、この時点で警防本部では、出場中の各隊とも転戦可能とみなしている。

「歌舞伎町ということもあり、この危険排除は難しい事案だった。アルコールを摂取している関係者への対応は難しい。説明をしてもなかなか理解されないため、毅然とした態度を取りつつも、ていねいな説明が要求される。さらに、今回はオーナーが外国人であったが、漏水のみであれば管理会社の対応ということもなかなか理解いただけなかった。そんな状況にあって、情報担当が管理会社の夜間連絡先をいち早く発見し、連絡をとったことが解決の糸口となった。もし全館的に漏水があり、漏電の危険性が高ければ、ビル内のすべてのテナントの利用者および従業員を避難させなければならず、対応が難しくなったはずだ」(髙橋大隊長)

現場付近をあわただしく行き交う指揮隊情報員。
現場付近をあわただしく行き交う指揮隊情報員。
全隊引き揚げの大隊長命令を下命し、指揮隊車に向けて移動を開始。
全隊引き揚げの大隊長命令を下命し、指揮隊車に向けて移動を開始。

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指揮担当者のインタビュー

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