震災対応に強くなる重機訓練法 ―取手市消防本部―【前編】

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震災対応に強くなる重機訓練法 ―取手市消防本部―【前編】

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基本動作の展示

災害現場での障害物の除去を想定した、コンクリートの板やカルバートを移動させる。まずは、手本として取手市消防署の吉田大祐副署長がオペレーションの見事な手さばきを披露する。「慣れてくれば、これだけのスピードで出来るようになる、ということを知ってもらいたかった」(吉田)

ポイント

重機操作は、始動はゆっくり。スッと動けばそのままスムーズに動き出すが、動き出しが悪い時に強行すると、機械に負荷がかかるので、耳を澄まして機械音(鉄のきしむ音、ギギギ音・ミシミシ音など集中していれば聞こえる)を聞きながら操縦すべきである。

震災対応に強くなる重機訓練法 取手市消防本部
コンクリートブロックを移動させる。
震災対応に強くなる重機訓練法 取手市消防本部
震災対応に強くなる重機訓練法 取手市消防本部
鉄骨片は、縦方向でも横方向でもフォークで掴んで動かせる。
震災対応に強くなる重機訓練法 取手市消防本部
大きなものはゆっくり持ち上げ、低い位置で横に動かす。(不用意に上まで持ち上げない)
震災対応に強くなる重機訓練法 取手市消防本部
震災対応に強くなる重機訓練法 取手市消防本部
ボックスカルバートはフォークを中で広げて持ち上げれば動かせる。
震災対応に強くなる重機訓練法 取手市消防本部
震災対応に強くなる重機訓練法 取手市消防本部
電柱操作のコツは、中心がどこか見極めてから上げるが、長い物体はキャビンに当たる可能性があるので十分注意しなければならない。また、電柱や倒木など長いものを引きずる場合は根本の重い方を掴み引きずって移動・旋回した方が安定している。
待機時に付けておくアタッチメントは? 「取手市はグラップル(フォーク)派」

重機は状況に応じてアタッチメントを交換できるが、できれば待機時に付けておくのは、汎用性の高いアタッチメントとしておきたい。そこで迷うのが、フォークか? ショベルか? 取手市消防本部では、大抵の障害物を除去できる、という理由でフォークをメインで装着している。

全国に先駆けて、約18年前に重機の専門部隊を立ち上げた茨城県・取手市消防本部。独自のがれき訓練施設はリアルと評判高く、全国の消防職員がこぞって取手に集結し、CSR訓練を行っている。その取手市消防本部が昨年末、満を持して関東6消防本部合同の意見交換会及び実動訓練会を開催。その訓練の詳細と、取手災害重機機動隊の驚くべき装備と技術を紹介する。
写真◎伊藤久巳、取手市消防本部 Jレスキュー2021年5月号掲載記事 (役職・階級・体制は取材当時のもの)

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