Jレスキュー編集部は、2025年5月18日日曜日に消防職員向けのセミナー「第2回 Jレスキュー・消防カンファレンス」を開催致します。
今回のテーマは、2024年末に発売した「Jレスキュー消防テキストシリーズ」の書籍「消火・人命救助のための教科書 消防強制進入技術 Forcible Entry」の著者である「一般社団法人Japan Forcible Entry韋駄天」の代表理事・一ノ宮健氏が登壇し、強制進入とはなにか、強制進入の技術などについて解説します。
また、強制進入に用いる資機材の販売・修理を手がけるプライムテック株式会社の松村久人氏による機材講習と故障時の対応の解説も予定しています。
消防職員限定で発売した書籍「消防強制進入技術」は、予約開始直後から消防業界で瞬く間に広まり、すでに増刷分を販売するほどの大ヒット書籍になっています。本セミナーでは同書の内容を深掘りし、著者へ直接質問して技術の具体的な内容について議論できる時間も設けております。さらに、著者から書籍出版に至った背景といった裏話的な内容も予定しています。
Jレスキューの主催するセミナーでは、登壇者から1方向のみの情報発信ではなく、参加者全員で交流・議論することを目的としています。そのため「カンファレンス」と銘打って開催しています。
日時:2025年5月18日(日)9時30分~16時
場所:インプレスグループ セミナールーム(東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング 23階)
対象:消防職員限定
規模:1日間、参加者約50名を予定
参加費:5,500円
主催:Jレスキューイベント運営委員会
お申し込みは消防職員のみに限らせていただきます。当日、ビルのエントランスで身分確認をさせていただきます。
お申し込みは下記のURLで受付中! お申し込み受付は先着順とし、定員になり次第、締め切らせていただきます。
本書は、防火管理者の資格習得のために必要な消防法について、取り組みやすく要点を視覚でも把握しやすいように、各所に工夫を施しております。図解、写真も多用しつつ、ポイントはすべて網羅した新教科書です。
防火管理制度とは? から、防火管理者を選任しなければならない防火対象物、統括防火管理制度の説明、消防計画の作成方法と届出の方法、自衛消防活動の組織編成例、消防用設備点検の方法や期間、防火対象物の点検と報告、防火対象物の自主検査、防火管理の範囲と対象物、危険物の種類と概要など、防火管理者の資格講習に必要な要素を網羅したテキスト本です。
新潟市消防局の予防課が監修し、収録内容が精査された実際の講習に役立つテキストとなっています。防火管理者講習を実施する際に、防火管理者講習を受講する際に、それぞれで有用となる1冊です。
本書は、事故のきっかけとなるヒューマンファクターやヒューマンエラーの概念を整理した上で、事故を分析するための手法や必要な要素を章ごとに具体的に示しました。
事故を完全に防ぐことは現実には不可能に近いですが、発生した事故と真摯に向き合い、事故原因を究明することは、将来起こりうる類似事故の発生や、重大事故への発展を未然に防ぐための大切な取り組みです。
この本は、消防業務において発生した事故の分析および再発防止対策を講じる際の新たな手引書です。
「待っていました!」と多くの消防車ファンやトミカファンからの喜びの声が聞こえてきそうな新製品情報がタカラトミー公式サイトから発表された。
そのトミカとは、東京消防庁第二消防方面本部消防救助機動部隊(通称:ハイパーレスキュー)に配置されている特殊救急車(スーパーアンビュランス)である。
同車は「JレスキューWeb」のランキングにおいても常に上位をキープしているほど、多くのユーザーに読まれている車両記事である。また、近年増加傾向にある大規模災害から事故や事件等においても出場件数が増え、ニュースなどでも目にする機会も多い。
すでにトミカ(NO.116)でラインナップされているが、今回は現行車両の「スーパーアンビュランス」(NO.144)が、ロングタイプになって製品化される。発売日は、第3土曜日はトミカの日となる6月21日を予定しており、販売小売り価格は1.100円(税込)。
スーパーアンビュランスは、平成6年(1994年)に東京消防庁が導入した初代1号車からトミカで製品化されており、現在3代目となる第八消防方面本部消防救助機動部隊に配置されていた(現在は廃止)車両までがロングセラー商品となっている。
今回製品化されるトミカは、車体の傷病者室左右を拡幅するアクションから、さらにスーパーアンビュランスの全長の長さである特徴をロングなトミカで再現したことで、実車と見比べても大差がないほどクオリティの高い商品となっている。
東京消防庁は、東京港の安全を守る消防の姿を都民に披露し、防火防災意識の高揚を図ることを目的として「令和7年水の消防ページェント」を、令和7年5月18日(日)東京・中央区晴海ふ頭公園および周辺海域に開催する。
プログラムは、式典・演技が10時分から11時15分まで、広報展示等が2時30分から15時30分までを予定している。イベント詳細等については、5月中旬に東京消防庁より発表される。
同イベントは、消防艇や消防ヘリコプターのダイナミックな消防演技が見どころ。フィナーレでは、消防艇よりカラー一斉放水が行われる。そのほかに消防艇「みやこどり」一般公開や防災体験などが予定されているので、ぜひ足を運んでいただきたい消防イベントだ。
また、会場は日陰が少ないため、観覧中の熱中症対策や水分補給も心がけてほしい。
消防車製造メーカーをグループ企業に持つモリタホールディングスは、「第20回 未来の消防車アイデアコンテスト」の受賞作品を決定した。
全国の小学生から1105点の応募があり、厳正なる審査の結果、8点の入賞作品を選出し、最優秀賞には北海道在住の小学5年生(応募当時)、縄 乃々香(なわ ののか)さんの作品が選ばれた。受賞者にはモリタオリジナルグッズをプレゼントする。
最優秀賞の特殊な音で火を消す「ブラスソニック」は、素晴らしいアイデアばかり。未来の消防車に期待が膨らむ作品となっている。
コンテスト名:第20回 未来の消防車アイデアコンテスト
応募概要:夢のある「未来の消防車」をテーマとした作品
応募期間:2024年12月1日~2025年3月3日
応募資格:日本国内在住の小学生
受賞者数:最優秀賞1名、優秀賞2名、佳作2名、敢闘賞3名
受賞作品の詳細については、下記Webサイトを参照。
高知市消防局は、2025年(令和7年)4月1日から「業務中におけるサングラスの着用」と「コンビニエンスストア利用」を開始した。
サングラスの着用により、屋外での活動時に太陽光の影響による活動危険と紫外線等による健康被害の軽減を図る。また、コンビニエンスストアの利用は、救急出動のひっ迫等により署所において適切なタイミングで水分や食事が摂れない際の職員の体調管理を目的としている。
同消防局は、サングラスを使用する上での留意事項として、直接市民対応する際は必ず外すこと、社会通念上で不適切な場面での着用はしないこと(眼病等を着用理由とする場合はこの限りではない)、サングラスを外した際はポケットに収納することなど、消防吏員としての品位を損なわないように配慮することを定めている。
コンビニエンスストアの利用においては、携帯電話などを携帯し出動指令に対応できる体制をとること、感染防止衣やヘルメットなどは着用しないこと、車両に必ず1名以上が待機すること、不要な物品は購入しないこと、飲食の場所は近隣署所または店舗に駐車した車内とし移動中は飲食しないこと(長時間の駐車はしない)などと定めている。
兵庫県川西市では、救急出場件数の増加傾向が続き、令和4年から3年連続で過去最多を更新している。今後も増加が予想される救急需要に対応し、市域全体の救急体制の充実・強化を図ることを目的として、南消防署久代出張所に救急隊1隊を新たに増隊した。
増隊される救急隊は、2025年(令和7年)4月1日から運用を開始。増隊する救急隊の救急車を購入するにあたっては、川西市に寄付があったため、その寄付金を活用して購入している。
3月28日には救急隊発隊式が行われ、川西市長、川西市議会議長・議員、久代小学校長、川西南中学校長、久代幼稚園長、久代コミュニティ協議会長、久代自治会長、消防団幹部らに加え、救急車購入に対する寄付をいただいた山角(やまずみ)氏らが出席した。
川西市消防本部 石倉消防長は、「川西市においては、救急需要の増加傾向が続いており、ご寄付いただいたことに深く感謝しています。久代出張所に救急隊を配備することで、より一層、市民の安全・安心を守っていきたいです」などと話した。
消防車ファン(Jレスキュー編集部の一人も!)が待ち望んだリアルな消防ミニカーがヒコセブンのオリジナルブランド「CARNEL」から発売される。
「CARNEL」からは、これまでにも全国各地の指揮車や救急車をはじめ、最近では総務省消防庁が無償貸与している拠点機能形成車や、東京消防庁消防救助機動部隊の特殊救急車(スーパーアンビュランス)、救助車Ⅱ型、即応対処部隊の高機能指揮支援車など、コレクター心をくすぐるようなクオリティの高い製品が発売され続けているのが魅力である。
そこに東京消防庁第三消防方面本部消防救助機動部隊に配備されている特殊災害対策車[大型]CS1が製品化されることで、さらに「CARNEL」の魅力は高まっていくだろう。
もちろん消防車ファンの編集部員も予約購入済みだ!
株式会社赤尾は、軽EV救急車を艤装し、大阪・関西万博の協賛品として納車すると発表した。
同車両は、三菱自動車の「ミニキャブEV」をベースシャーシにし、主警光灯は大阪サイレン製作所製の散光式警光灯「ネオフラッシュプロ NP」を採用、ストレッチャーはファーノ・ジャパンの「モデル 25i ストレッチャー」を搭載した。
軽自動車のコンパクトな車体でも被視認性を高めるため、車体両側面にバッテンバーグマーキングを施したほか、車体後面にはシェブロンマーキングを施工している。また、車体両側面に大きくスター・オブ・ライフのマークを描き、万博に来場する海外からの来訪者にも認識してもらえるようにした。
万博では同車両が2台運用され、会期終了後は万博主催者の日本国際博覧会協会から大阪府の大阪南消防局と茨木市消防本部へそれぞれ車両が譲渡される予定だ。
大阪市消防局と大阪府警察は3月27日、大阪市此花区夢洲の大阪・関西万博の会場で、大阪府警察会場警察隊と大阪・関西万博消防センターの合同発足式を開催した。
同発足式には大阪府の吉村洋文知事や大阪市の横山英幸市長などが出席し、両名が祝辞を述べた。その後、会場警察隊長と万博消防センターの決意表明が行われ、同所長の下正博之所長は「大阪・関西万博には、来場される皆さま、そして準備に携わっておられる方々の夢と希望が込められています。その想いを胸に、皆さまが安全に安心して楽しんでいただけるよう、あらゆる事態に対し、万全な消防体制を構築することが我々の使命であります。課せられた使命を達成すべく、職員一丸となって士気を高め、関係機関と連携を密にし、職務遂行に全力で臨んでまいりますことを、ここに固く決意申し上げます」と述べた。
大阪・関西万博は2025年4月13日から2025年10月13日までの日程で開催される。
——「咲いて散らすな、オレンジの花」という本を執筆された経緯から教えていただけますでしょうか?
「まずはご挨拶から。皆さんこんにちは、私は茂清博と申します。この度、私の著書『咲いて散らすな、オレンジの花』を再出版することとなり、この『Jレスキュー』にてご紹介いただけることを大変光栄に思います。本書は2008年11月に文芸社から発表されました。わずか1000部の発行にもかかわらず、本の貸し借りを通じて多くの方々に読まれ続けてきたことを、とても感慨深く思っています。発刊当初から手に入れにくかったようですが、現在でも中古本が高値で取引されていることから、皆様のご支持を感じ、大変感謝しております。
本書は、私が東京消防庁に勤務していたわずか8年弱の間で経験した災害活動について、私の五感で捉えた出来事をできるだけそのままの形で表現したものです。私の経験が本になるまでに退職からおよそ10年経っています。記憶というのは不思議なもので、当時の出来事の一部分が頭に浮かぶとその前後まではっきりと蘇ってきました。しかも10年越しにです。このエピソードを時系列につなぎ合わせたものが『咲いて散らすな、オレンジの花』となった訳です。
当時、SNSで有名なサイトがあり、私はそのサイトでかつての仲間たちを探していました。しかしながら彼らがSNSをしている形跡はまったく発見できず、その代わりに地方の消防官たちの投稿が驚くほどたくさんありました。消防に関するコミュニティも多数存在し、私はその中の消防官だけが参加できるコミュニティを選んで、自分が対応した現場エピソードをいくつか投稿しました。これに対してコミュニティメンバーたちから大きなリアクションがあったことを覚えています。つまり、エピソードが本物か偽物かということで論議が巻き起こった訳です。
また、『仕事上で知り得た情報』に関する秘密保持義務違反だという書き込みも多数受けました。当時はまだ珍しかった〝ネット上の炎上〟というやつです。公務員の守秘義務は、すでに報道されている災害に関してはまったく当たらないものの、こうした炎上状態を不快に思ったコミュニティの管理者によって私の投稿すべてとアカウントが削除されました。
その後、私は自分のコミュニティを作り、以前投稿したエピソードを再投稿したところ、沖縄と宮城の消防官たちからもっと話を聞かせてほしいというリクエストを頂き、必死になってひとつひとつ思い出していったのです。これは経験してきた実数のうちのごくわずかなエピソードだけですが、それらを詳細に思い出せたことに自分自身が驚きました。これらの投稿を見つけた文芸社から声がかかり、出版となりました」
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執筆エピソードについて
一般社団法人日本損害保険協会は、2025年度防火ポスターのモデルに俳優の田畑志真(たばた・しま)さんを起用し、20万枚を作成した。今後、総務省消防庁の協力のもと、全国の消防署や役所などの公共機関等に、2025年4月から翌年3月まで掲出し、防火意識を持つことの大切さを全国に呼びかける。
同ポスターに記載する防火標語は、後援の総務省消防庁と協力のうえ、「急ぐ日も 足止め火を止め 準備よし」に決定した。本標語には、どんなに多忙な時代になっても火の始末を決して欠かすことのない日常のルーティンに加えてほしいという意図を持たせた。なお、本標語は2025年度の「全国統一防火標語」として住宅防火対策等に活用される。
田畑志真さんは今回のモデル起用を受け、「素敵な先輩方が務められている、防火ポスターに出演できること、とても嬉しいです。私たちが生活する上で火は欠かせないもの。私も声に出して『消した!!』と確認するように心がけています。小さな心がけと注意で火事を防ぐことができると思うので家を出る前にもう一度確認し、大切な命を守れるように気を付けたいです」とコメントしている。
郡山地方広域消防組合消防本部は、バリアフリー対応の警光灯を搭載した指令車を導入し、田村消防署都路分署に配備した。
バリアフリー対応の警光灯とは、緊急走行時と一般走行時(巡回中)で発光パターンが違うというもの。視覚的に緊急走行か一般走行かの判断が可能になることで、聴覚障がい者の方々が容易に判断できる。緊急走行時は一般的な緊急車両の緊張感のある発光パターンと同様で、一般走行時は約2秒間隔で緊急走行時よりもやぼんやりゆっくりと発光を繰り返し、発光自体も柔らかな光となる。
バリアフリー対応警光灯を搭載した消防車両は同消防本部が全国で初めて導入した。福島県では、楢葉町にあるJヴィレッジが東京デフリンピック2025のデフサッカーの会場になっており、2025年11月に競技が行われる。同消防本部ではこの競技開催を見据えて、本車両を導入した。
横浜市消防局は2025年2月28日、火災現場などで消防隊員等が着用する防火装備を一新すると発表した。同年4月1日から運用を開始する。
今回導入する防火装備は、炎や熱に対して従来よりも高い防護性能を有する。また、蒸れにくく動きやすい仕様とデザインを採用し、安全性と機能性を両立した。
従来の防火装備は銀色のもののみだったが、更新する防火装備は救助隊と消防隊、特殊災害対応隊の着用する防火服と防火帽を色分けした。これにより、各隊員の活動を視覚的にサポートでき、円滑な消防活動の展開につながる。
今回発表された防火装備は、2025年3月8日に横浜市神奈川区の横浜市民防災センターおよび沢渡中央公園で開催されるイベント「はたらく車大集合!!~防セン春のくるまつり2025~」で一般公開される。
公益財団法人日本財団ボランティアセンターは2025年3月7日、茨城県つくば市に「日本財団災害ボランティアトレーニングセンター(VTC)」を開所した。
同センターは、災害発生時に瓦礫撤去・道路復旧を担う技術系災害ボランティアの人材育成に活用されるとともに、配備された重機・資機材を災害現場へ貸し出す実働機能の拠点として活用される。災害現場など特殊環境における重機操縦のトレーニングが可能な訓練フィールドを有し、座学を行う研修棟も備える。また、復旧活動に必要なショベルカーやダンプなど16台の重機や資機材を配備し、一般的なボランティア活動では対応が難しい専門的な作業を担う人材の育成を行う。
さらに、技術系災害ボランティアの普及・発展を目的とする連絡協議会「日本財団災害ボランティアトレーニングセンターネットワーク(VTCネットワーク)」を設置し、団体間の相互の情報共有や連携協働を促進することで、迅速な復旧活動をサポートする。
施設名:日本財団災害ボランティアトレーニングセンター(略称:VTC)
所在地:茨城県つくば市南原2番地
総面積:1万2883.22㎡
施設内容:研修棟、重機ステーション、訓練フィールド
配備重機・車両:合計16台
・ショベルカーViO12(機械質量:1065kg)×2台
・ショベルカーViO17(1660kg)×2台
・ショベルカーViO25(2500kg)×4台
・ショベルカーViO35(3480kg)×1台
・ダンプカー 3t×3台
・ダンプカー 4t×1台(予定)
・クローラーカー×2台
・軽トラック×1台
その他配備:投光機×2台
奈良県桜井市役所は2025年2月5日、桜井市消防団の団員募集のためのPR動画をYouTubeで公開した。
動画は全3種類。一つ目は、現役の消防団員が出演し、地球を守る映画をコンセプトに作成された「これが桜井市を守る方法だ!」。二つ目は、桜井市消防団オリジナルキャラクター「桜みわわちゃん」が、消防団の活動、素朴な疑問、現役消防団員の声などを紹介する「桜井市消防団応援団長!桜みわわちゃん!!」。三つめは、現役の消防団をイラスト化して「消防団に入ってよかったこと」など実際の団員の声をインパクトのある内容で紹介する「桜井市消防団には我々がいる!」となる。
これらの動画は、消防団員を確保するために消防団の位置づけや役割、消防団を取り巻く社会環境の変化を知ってもらうために制作された。さまざまな性別・年齢層へアプローチするために3パターンの異なる動画が公開された。
2025年2月16~18日の3日間、香川県丸亀市内でロープレスキュー国際大会「GRIMP JAPAN 2025」が開催された。同大会には国内各地の18チームと、海外から6チームが参加。日ごろの訓練で培った技術を駆使し、大会事務局が用意した13種類の想定に挑んだ。
初日は今治造船丸亀事業本部の乾ドックを使用したダイナミックな2種類の想定。2日目は丸亀市の中心部にある「丸亀市民ひろば」周辺と、市民野球場「レクザムボールパーク」で合計5種類の想定が行われた。そして、大会最終日は同市内のテーパマーク「NEWレオマワールド」の園内と周辺を利用した6種類の想定が実施された。
優勝したのは、採点結果が同点になった2チーム「JAPAN WEST 9PM」と「TRIC」、これに続く3位が台湾から挑戦した「KRRT」という結果になった。
この大会については、4月10日発売予定の「Jレスキュー2025年5月号」でも詳しくお伝えします!
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大会3日目
国内最大規模のロープレスキューの国際大会「GRIMP JAPAN 2025」が2025年2月16~18日に、香川県丸亀市で開催される。
今大会は、国内から18チーム、海外から6チームの計24チームが出場。初めての試みとして、国内チームの一部は所属する消防本部もしくは消防長から了承を得て、所属名をチーム名またはチーム名に併記して出場する。
大会実行委員長の林田章宏は、今大会の開催に先立ち、「GRIMP JAPANは単なる競い合いではなく、競争を通して日本の救助技術が向上することを目的としています。それは出場者だけでなく、観る人にとっても学びになるものであってほしいと考えています。そこでしか感じられないスケール感、緊張感、達成感、悔しさ、リアルな救助活動をぜひ観に来て欲しいです」とコメント。
大会初日と2日目は同市の市街地周辺で、大会3日目は同市内にある四国最大級のテーマパーク「NEWレオマワールド」の周辺で競技が行われる。
見学のための詳細な情報は、各日の前日17時にGRIMP JAPANのSNSで発信を予定している。
近年、消防自動車の多くは、ディーゼル機関の排出ガス浄化装置である尿素SCRシステムが搭載されている。このシステムは、排気系統にSCR触媒を設置し、尿素水を噴霧することで窒素酸化物を分解してクリーンにする装置である。このシステムには「アドブルー」と呼ばれる専用の尿素水溶液が必要であり、アドブルー専用タンクが備えられている。
このアドブルーは単に補給すればよいだけではなく、特に消防自動車特有のトラブルも存在する。一般的に消防自動車は運送トラックなどと比べて走行距離が少なく、走行せずに毎日の点検のためのみでエンジンを始動させることも多い。そのため、シャーシメーカーの想定よりはるかに少ない量のアドブルー消費量しかないため、タンク内のアドブルーが劣化する恐れがある。アドブルーは高温下では劣化が進み、品質を保持できるのが10℃以下で約3年であるのに対して、35℃では約6カ月、40℃では4カ月程度と極端に短くなる。また、おおむねマイナス10℃以下の低温化では結晶化するが、劣化はせず常温に戻れば問題なく使用可能である。そのため、おおむね1年程度で劣化が進む前に使い切るのが理想である。この品質の劣化したアドブルーを使用すると、排出ガス浄化機能を担うSCR触媒に目詰まりや腐食、故障するリスクが高くなる可能性がある。この排出ガス処理系統は、故障すると高額な修繕費がかかることが多く、限られた予算や装備する管理側からみれば故障しないことが理想である。
一般的なタンク容量とタンク満タン時の稼働時間、または走行距離であるが、小型車でタンク容量15リットル、500時間、1万km。中型車で30リットル、1000時間、2万km。大型車で50リットル、1500時間、3万km程度の一例となるが、車両や走行条件等により違いがある。高頻度で使用しない車両、特に走行の少ない特殊車両や消防団車両などでは、この稼働時間や走行距離より大幅に少ないことから、アドブルーが劣化するリスクが高まる。
この対策としては、補充時に満タンまで入れずに半分程度とすることや、車検毎にアドブルーを入れ替えるなどが挙げられる。また、機関員席のパネルメーターにはアドブルー液量計が装備されており、液量が1/4を切らないように適宜補充するようにしたい。
2025年1月3日、東京・港区のACROSS FITNESS西麻布で、フィットネスイベント『スサノオジャパン第3回東京大会』が開催された。
同イベントは、消防士をはじめ海上保安官や自衛官などが参加し、短距離障害物競走で体力を競うもの。“公安官版甲子園”と銘打たれており、2024年8月と同年11月に続き、今回が第3回大会となる。
今大会には、現役の消防士や海上保安官、自衛官のほかに、元消防士のパワーリフティング日本代表選手や、ランニングとファンクショナルエクササイズ(スポーツや日常生活における動きを再現したエクササイズ)を組み合わせて行う国際的なフィットネスレース『HYROX』の日本代表選手、トレーニングについて発信するインフルエンサーも参加。体力自慢が己の持久力と筋力を駆使して競技タイムを競い合った。
競技は、3人1組の8チームで行われ、2種目のタイムレースに参加。2種目の合計タイムで速い上位2チームが決勝戦へ進む方式で行われた。最初の2種目は、プレートキャリアのベスト(男性選手9kg、女性選手7kg)の着用が義務付けられる。
最初の種目は、1名の選手がデッドリフトの要領でバーベル(男性選手70kg、女性選手50kg)を持ち上げ、同時にもう1名の選手が鉄棒にぶら下がっている間に、3人目の選手がローイングマシン(ボートやカヌーを漕ぐ動きを陸上で行える考えられたトレーニングマシン)で1000mの距離が表示されるまでのタイムを競うというもの。
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第2種目も過酷な内容
東京消防庁は、12社の民間企業と協働し、行政課題解決に向けて8種類のテーマで実証を実施すると発表した。
同庁は2024年(令和6年)10月に、消防・救急活動等にデジタル先端技術を導入することで、“消防・救急活動の安全性・確実性・迅速性の向上”と“業務の効率化”を図るため、『東京消防庁 INNOVATION PROJECT Research for 2025』を発表。同庁の事業に関わる課題を11種類のテーマに細分化し、民間企業が保有するデジタル先端技術の情報やそれらを活用するためのアイデアを公募した。
その結果、8種類のテーマで12社の民間企業と協働することを決定した。今後はDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れた実証検証や開発を行う。
8種類のテーマは以下の通り(かっこ内は協定先企業)。実証検証や開発の期間はテーマごとに設定されている。
●救急需要予測による救命率向上及び効率的な部隊運用(株式会社 Creator’s NEXT)
●多言語同時翻訳による通報内容の迅速な把握及び感情分析機能による緊急度判定(リスク計測テクノロジーズ株式会社)
●緊急走行操縦シミュレーション(株式会社フォーラムエイト、株式会社理経、日本無線株式会社)
●緊急走行車両の事故防止支援システム(ビーコア株式会社)
●大規模土砂災害現場における土砂災害発生危険情報等の定量化(株式会社オサシテクノス、ソフトバンク株式会社)
●救急活動における情報管理の効率化(Medical Rhodus 株式会社、TXP Medical 株式会社)
●建物や財産の管理に活用できるWindows 用 PDF レイヤーソフト(株式会社 Trans Recog)
●消防学校におけるデジタル教育の推進(東日本電信電話株式会社)
これから本格的な雪の季節に入っていく。特に雪氷路や雨でぬれた路面などを走行中にカーブで不安定な状態になると外側に膨らんでしまうアンダーステアや、内側に向いてしまうオーバーステアとなり路外逸脱してしまう。これを防止するために設けられているのが横滑り防止装置(ESC)である。この装置は、走行中に車両状態を監視しており、不安定になった際にアンチブロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、エンジン出力などを統合的に制御して車体安定化を補助するシステムである。
この横滑り防止装置は万能ではなく、走行時の不安定挙動には優れた能力を発揮するが、雪氷路や泥炭路でスタックして発進不能となった場合には、逆にトラクションコントロールが働くことで逆効果となる場合がある。これはスタックした際にこのシステムが作動するとタイヤの空転やエンジン出力が抑えられ、スタックから脱出するために必要な駆動力が得られなくなるからである。この横滑り防止装置が搭載されている車両は、通常状態では常に作動状態となっているが、このうちトラクションコントロールを解除するためのスイッチが設けられている。スタックして通常で脱出が不可能となった場合には、まず解除スイッチを押下しゆっくりとアクセルを踏み込む、それでも脱出しない場合には車両を可能な範囲で前進・後進を繰り返してタイヤ踏面を平坦に均すようにして脱出を試みる。これでも難しい場合には駆動輪下部にシートやチェーンなどを敷いてタイヤの摩擦力を補助する。また、ゴム製などのスタック脱出用ボードなども市販されているので、スコップ等と合わせて車両に積載しておくことも必要である。
なお、この横滑り防止装置(トラクションコントロール)などは必要な緊急時のみOFFとし、脱出後や通常時は常に作動状態としておく必要がある。このトラクションコントロール装置は車両メーカーにより名称や略称が異なる。これらの装置について詳細は各車両の取り扱い説明書等を熟読して把握しておくようにしたい。また、雪氷路での走行の際は四輪駆動やスタッドレスタイヤなどを過信せず、チェーンなどを併用し安全運転に心がけていただければと思う。
株式会社セガエックスディーは2024年12月24日、ゲーム体験型防災訓練ソリューションの提供を開始した。
ゲーム体験型防災訓練ソリューションは、ゲームを行いながら防災を学ぶことができる防災士監修の没入型の防災訓練。ストーリー設定を行い、謎解きや宝探しなどを行いながら、チーム一丸となりゴールを目指すという内容で、ゴールを目指している中で自然と楽しみながら防災意識や知識が身につくというもの。
2023年に神奈川県総合防災センターと合同でゲーム体験型防災訓練「THE SHELTER(ザ・シェルター)」を実施しており、参加者の満足度が高く、今回の正式リリースに至った。ソリューションの提供内容は、ポスターデザイン、コンテンツ(謎解き)、進行台本となっており、自治体や企業・団体等の防災訓練を実施する主催者に対して提供する。
千葉市は2024年12月26日、「千葉市消防団 CUMST(カムスト)」の発足式を行った。
CUMSTは、医療分野での専門的知識・技術を持った千葉大学医学部生による機能別団員チームとして設立された。千葉市消防団の大規模災害団員として、大地震などの大規模災害発生時に特化して知識・技術を生かし、応急救護活動や避難所における健康管理等を実施する。
同チームのメンバーは、同大学災害治療学研究所教員がチームリーダーを務め、同大学医学部救急サークル「C-TAT」の10名が活動する予定だ。同サークルは、心停止を起こした方の救命率向上に少しでも貢献できることを目指して活動しており、日本BLS協会と千葉大学救急科・集中治療部の教員・医師の指導の下で、同大学の学生を対象にAHA BLS-HCPコースを実施している。
千葉市と千葉大学は、包括的な連携に関する協定を結んでおり、CUMSTもその一環として設立された。同チームは2025年1月1日から活動を開始する。
2024年(令和6年)11月21日と22日の2日間、岩手県北上市にある「さくらホールfeat.ツガワ」で、東北の消防士たちによる自主勉強会『ONE TOHOKU CONGRESS』が開催された。
この勉強会は、主に災害救援を実施しているONE TOHOKUが主催したもので、全国から約400名の消防士が有志により参加した。
内容は、ロープレスキューや火災予防、火災で閉鎖されたドアを強制的に開ける強制進入技術、消防心理学など。4名の講師により災害対応の知識と技術を共有した。
本書の注文は上記のフォームのみで、書店での販売予定はございません。
本書は、掲載内容の特性上、防犯の観点から消防職員をはじめとする官公庁関係者のみ(消防団員は含みません)への販売となるため、誠に恐れ入りますが当該関係者以外の方への販売はいたしかねます。何卒ご了承ください。
塩釜地区消防事務組合消防本部は、2024年(令和6年)11月8日、気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防本部から、消防救急艇「あさぎり」を譲渡されたことに伴い、譲渡式を実施した。
消防救急艇「あさぎり」は、気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防本部が離島災害時における救急艇として活用していたが、気仙沼大島大橋の全面供用の開始とともにその役目を終えたことから、「離島災害対応の一助に活用して欲しい」との意向で、塩釜地区消防事務組合消防本部に無償で譲渡された。
塩釜地区消防事務組合は今後、気仙沼・本吉地域広域行政事務組合消防本部の長年の思いを引き継ぎ、消防救急艇の整備を進め、県内唯一の消防救急艇を所有する消防本部として尽力していく方針だ。
全長:13.98m
最大幅:3.70m
深さ:1.79m
総トン数:12t
搭載人員:12人(船員3人、そのほか9人)
エンジン型式:ヤンマー6CXBS-GT
定格出力:300kW×2.616rpm/min
ウォータージェット:石垣IWJ-LO50L
最高速度:19ノット
巡航速度:12ノット
年式:平成25年(2013年)
総務省消防庁は2024年(令和6年)12月12日、銀座ブロッサム 中央会館(東京都)において「第27回全国消防救助シンポジウム」を開催した。
今回のテーマは「複雑多様化する大規模自然災害における救助能力の向上」。
今年1月に発生した令和6年能登半島地震をはじめ、風水害、雪害、火山災害など近年発生している災害の形態が複雑多様化している。今後、未曽有の災害が発生した場合に、臨機応変かつ確実に対応するために、全国の救助隊員の救助事例や効果的な取り組みを共有し、討論等を通じて知見を広げて大規模災害における救助能力の向上を図ることを目的とした。
開会の挨拶は消防庁の池田達雄長官が務め、続いて全国消防長会の吉田義実会長(東京消防庁消防総監)が祝辞を述べた。
同シンポジウムでは、全国の消防本部から8種類の事例研究発表があったほか、静岡大学防災総合センターの牛山素行教授による講演「洪水・土砂災害は起こりうることが、起こりうる場所で」と奥能登広域圏事務組合消防本部の有手栄作能登消防署署長補佐による特別報告「令和6年能登半島地震かた奥能登豪雨について」が行われ、最後に発表者による総合討論「複雑多様化する大規模災害における救助能力向上を目指して」が実施された。
今回の事例研究発表は、土砂災害や風水害での実例や、これらの災害における救助活動のための訓練の紹介に加え、大規模自然災害時の指揮シミュレーション訓練や受援をシミュレーションする教育の実施など、直接的な救助活動以外を取り上げた発表があったことが特徴的だった。
同シンポジウムの終盤には、事例研究発表者の8名と特別報告で登壇した有手氏の9名が参加した総合討論会が行われた。
討論は「複雑多様化する大規模災害における救助能力の向上を目指して」をテーマに行われ、大規模災害発生時の受援体制、県内応援派遣や緊急消防援助隊での活動における他機関との連携をどうするべきか、救助活動時の安全管理の考え方など、この日に発表や報告が行われた演題をさらに発展させるための意見交換が行われた。
具体的には、1年で2回の大規模自然災害で緊急消防援助隊の受援を受けた奥能登広域圏事務組合消防本部の有手氏は、2回目に実施した改善事項として、指揮支援隊の受け入れ場所を市役所や町役場ではなく消防署にしたことと同消防本部の指揮隊を各消防署に配置してリエゾンとして活用したことが挙げられた。加えて、消防以外の警察や自衛隊などの他機関と毎日ブリーフィングをして捜索現場の区分けや重機の配置などの調整を綿密に行うようにしたことを挙げた。
他機関との連携においては、土砂災害や大規模火災現場で重機を保有する民間企業と活動した経験を持つ北九州市消防局の宮﨑大介氏からは、熟練の重機オペレーターが現場の状況を見て重機の進入経路や活動見込み時間を把握することで活動時間を効率化できた経験を踏まえ、重機を現場に投入する前にオペレーターに先に現場を見てもらって活動方針決定の判断材料にすることも有効だという意見があった。
救助活動時の安全管理については、松山市消防局が令和6年度から新設した、役職定年を迎えた経験豊富な職員で編成する「セーフティーマネージャー」が二次災害の発生危険が大きい現場などに出動し、火災現場で壁体内に潜在した残火を発見して延焼を食い止めた例やLPガスの冷却を指示して二次災害の危険を排除した例などが紹介された。
また、会場となった銀座ブロッサム中央会館のホール以外の部分では、消防車艤装メーカーや資機材メーカーのブースが設けられ、新製品や一押し製品の紹介、パンフレットの配布などが行われ、盛況さを見せていた。
松戸市消防局は2024年(令和6年)11月28日、消防法令に基づく効果的な指導を行うことを目的に、市内繁華街の主に夜間営業を行うテナントが入居している建物に対し、夜間特別査察を実施した。
夜間に立入検査を実施することで、営業中の防火管理状況、避難経路および防火施設の維持管理状況、放火防止策や火気取扱い状況等を確認でき、その場で適正な指導が行うことができる。また、本査察は無通告で行うため、実際に店舗で働いている従業員等に消防が直接、火災予防の重要性を説明できる貴重な機会でもある。
立入検査は、消防局予防課と松戸警察署生活安全課と合同で実施し、違反があったテナントに対しては、市民が安全に店舗を利用できるよう関係者へ指導した。
みなさん、こんにちは!秋田市在住、まとい工房南天の渡部顕(わたなべ・あきら)です 。【コラム】元消防士による「ミニチュアまとい工芸展」開催に続き、今回は先月開催された初の個展についてご報告いたします。
偶然にも「第33回全国救急隊員シンポジウム」が秋田市で開催され、しかも個展会場とは目と鼻の先。幸いシンポジウムの会場にも展示が許可され、私の娘と息子のお嫁さんがリーフレットを配ったところ、多くのシンポジウム関係者にご来場をいただきました。
初の個展は4日間の開催でしたが、約1200名の方々にご来場いただき大盛況でした。また、スーツケースを引いた一目でシンポジウム関係者と分かる方々からも多くのご来場をいただきました。
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