鎮火まで約36時間<br>2次爆発の危険下で消防隊が活動した<br>【岩国・石油コンビナート爆発火災】

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鎮火まで約36時間
2次爆発の危険下で消防隊が活動した
【岩国・石油コンビナート爆発火災】

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どの程度まで安全確保すべきか

鎮火まで約36時間

鎮圧後もレゾルシンプラントに対し、翌日の午前11時10分まで集中的に冷却放水を実施。可燃性ガスの噴出がないことを確認し、放水を終了した。現場指揮本部長である黒元署長と工場関係者が鎮火確認を行い、4月23日14時31分、鎮火宣言となった。再び工場側の現場指揮本部長に指揮権を移譲し、岩国地区消防組合消防本部の活動が終了した。

「自分にとって、コンビナート火災は初めての経験。今回火災が発生した現場周辺には数多くの危険物や毒劇物が混在しており、具体的にどこに何があるかはすぐにわからない。現場対策本部や各プラント関係者から随時情報を入手し、現場指揮本部でその情報を元に活動方針を練り上げ、活動隊に危険情報とともに安全面に配慮した下命を行っていかねばならない。この3者の連携がうまくいかねば、効率的で安全な活動は実現できない。活動の困難さを痛感した」(黒元)

こうした災害は頻繁に発生しているわけではないが、過去に現場対応をした職員が退職によりいなくなったころに次のコンビナート火災が発生するという、厄介な周期で起こるという。災害は忘れたことにやってくるというわけだ。そこで、岩国地区消防組合消防本部では今回の経験を後に伝えるという点も意識し、今回の事例を検証し、伝承していくことにしている。

石油コンビナート火災
サイメンプラントへ放水する自衛消防隊の大型高所放水車。夜が明けたこの頃になって、プラントの損傷状況などがようやく把握できた。
石油コンビナート火災
はしご車でレゾルシンプラントへ泡放射を行う、岩国地区消防組合消防本部の消防隊。周囲の建物は最初の爆発の衝撃で窓が破壊されつくしている。この直後に2度目の爆発が起こった。
石油コンビナート火災
爆発をふまえ、ターレットによる冷却放水に作戦を切り替え、隊員たちを一次退却させた。
一般火災と同じようには対応できない石油コンビナート火災。 事故の発生確率も非常に低く、活動経験者の少ない大規模火災だけに、 その対応事例をいかにして若手に引き継ぐかも課題として残る。
文◎木下慎次 写真◎岩国地区消防組合消防本部(特記以外) Jレスキュー2012年9月号掲載記事

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