シングルラダーレスキュー<br>~単はしごを使ったゼロ支点での新・引揚げ救助法~

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シングルラダーレスキュー
~単はしごを使ったゼロ支点での新・引揚げ救助法~

―熊本市消防局―

Jレスキュー2018年9月号掲載記事

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現場が不利な状況に変化する

震災時の救助活動では、大きな余震によって活動中に現場状況が変化する場合がある。道路が使用不可能になり、投入できる資機材が限定されることもある。そうした困難な条件下での活動を見据え、熊本市消防局特別高度救助小隊は、悪条件下でも高低差のある低所から要救助者を愛護的に引揚げられる新救助法を考案した。

今回、シングルラダーレスキューを紹介するにあたって想定するシチュエーションは、熊本市を震源とする大規模地震が発生、要救助者1名が地震避難中に転倒負傷し、高さ10m下に体動困難となり救助を求めている。現場は地震の影響で車両接近が不可能だが、救助基点となる場所には前方高所支点と後方低所支点の2つの支点があるという情報を得たため、重量資機材である三連はしごやアリゾナボーテックス等の高所支点用ツールは携行せずに現場に急行。次の状況設定として、活動途中に震度5強の余震が発生し、当初使用予定だった前方高所支点にクラック(ひび割れ)が出現し、使用不能となる。このため、「後方低所支点のみ」を使用した救助方法の変更を余儀なくされるというもの。

現場想定
携行資機材
シングルラダーレスキューのシステム解説

▼ 活動の流れ

活動の流れ

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これまでの救助法の問題点とは?

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